第9回世界水フォーラム: 日本水フォーラム参加報告

第9回世界水フォーラムは、コロナ禍による1年の開催延期を経て、サブサハラ・アフリカ地域で初めて開催されました。日本水フォーラムは、テーマ別セッションにて、日本を含むアジア太平洋地域の取り組みに関する情報発信、展示会にて官民が一体となった日本ブースの企画運営及びユース活動の情報発信、閉会式にて京都世界水大賞2022授賞式の開催等を行いました。

第9回世界水フォーラム開催概要

開催日 2022年3月21日~26日
開催地 セネガル、ダカール
テーマ Water Security for Peace and Development(平和と発展のための水の安全保障)
主 催  世界水会議(WWC)、セネガル共和国政府、ダカール市
内 容 ・4つの優先課題(水の安全保障と衛生、農村開発、協力、手段とツール)の下、
約90のテーマ別セッション、27のハイレベルパネル、52の特別セッションが開催。
・7カ国・地域の首脳級、世界銀行を含む3つの主要国際機関の長らが参加。
・開会式では、日本の天皇陛下のビデオメッセージが放映。
・ステークホルダーによるダカール宣言『「ブルー・ディール」平和と発展に向けた、水の安全保障と衛生のために』を採択。

» ダカール宣言の和訳暫定版はこちら(監訳:立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部助教 平野実晴、作成:日本水道新聞社・日本水フォーラム)

テーマ別議論への参画

日本水フォーラムは、関係機関と連携し、「気候変動及び自然災害への強靭性と適応能力の強化」、また、アジア・太平洋水フォーラムの事務局として、「外部セクターも含めた多様な利害関係者間での対話やパートナーシップの強化」をテーマとした議論を主導しました。
期間中は、3つの分科会を開催し、水インフラの効果を考慮した水資源リスク評価手法や、気候変動の不確実性を踏まえた計画策定及び流域治水に関する日本の経験を発信を行いました。また、「政策の一貫性」と「多様な利害関係者の関与」に焦点を当て、コロナ禍後の質の高い成長に向けた水資源管理に関するアジア太平洋地域及びアフリカ地域の経験と教訓を共有しました。

3F2セッション1F2セッション
3F2セッションの様子1F2セッションの様子(モデレーター: JWF)
1F3
1F3セッションの様子/発表を行う沖大幹・東京大学大学院工学系研究科教授
(前・国連大学副学長/日本水フォーラム評議員)
開催日 セッション名
3月21日(月) 1F3. 「データと知識に基づく解決策を通じたレジリエンスの構築:水関連リスクの特定、モニタリング、早期警戒、評価」
主催 中国水資源水力調査研究所(リード組織)、日本水フォーラム、国際流域組織ネットワーク(INBO)
3月23日(水)  3F2. 「アジアとアフリカの持続可能かつ強靭で、包摂的な水資源管理に向けた
多様な利害関係者パートナーシップの地域化」
主催 アジア・太平洋水フォーラム(APWF)(事務局:日本水フォーラム
フライヤーはこちら  /  セッションアジェンダはこちら
3月24日(木)  1F2. 「戦略・計画、社会的能力向上を通じた、気候変動、危機、極端な水災害に対する回復力と適応力の向上」
主催 日本水フォーラム(リード組織)、国際流域組織ネットワーク(INBO)、国連砂漠化対処条約(UNCCD)、The Borders Institute Africa

展示会でのJAPAN Booth

日本水フォーラムは、官民一体となって我が国の取り組みの情報発信を行う日本ブースの企画運営を行いました。産官学民の計11企業・団体が参加し、健全な水循環に資する日本の技術・経験を発信しました。
期間中は、アフリカ、ヨーロッパ諸国を中心に多数の来場者が訪れ、好評を博しました。特に、地下水を含む水循環の三次元シミュレーションや、雨水貯留に関する技術が、注目を集めました。

JAPAN Booth 1 JAPAN Booth 2 JAPAN Booth 3
出展期間・場所 参加企業・団体
3月21日(月)~25日(金)
Hall E, Dakar Expo
主催: 日本政府、企画運営: 日本水フォーラム
省庁等: 内閣官房 水循環政策本部事務局、国土交通省、林野庁、環境省、JICAセネガル事務所
公益団体等: 地球環境戦略研究機関(IGES)、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、日本水フォーラム、ユース水フォーラム・九州
企業: (株)トーテツ、(株)地圏環境テクノロジー

ユース活動の発信

日本ブース及びWWCブースにて、日本の高校生たちが制作した「水に関するテーマを伝える動画」(募集:ユース水フォーラム・九州)の上映を行いました。

African youth at JAPAN BoothYouth video at WWC booth
JAPAN Boothに集まる地元セネガルの高校生WWCブースでも高校生制作のビデオが上映

京都世界水大賞2022授賞式の開催

京都世界水大賞は、第3回世界水フォーラム(2003年、京都・滋賀・大阪にて開催)を契機に設立されました。発展途上国の水問題に対し、優れた活動を続ける草の根団体を顕彰する世界で唯一の賞です。
京都世界水大賞2022では、「伝統と革新の調和」の京都にならい、「文化」と「コミュニティ」に寄与し、持続可能な活動であるかという点で審査を行い、厳正な選考の結果、インドのNGO「Pragati」を大賞に選出しました。第9回世界水フォーラムの閉会式にて、授賞式を開催し、草の根活動の重要性を訴えました。

Awarding CeremonyPragati project
授賞式の様子(写真提供:WWC)受賞団体Pragatiの取り組みの様子

» 授賞式の詳細はこちら: https://www.waterforum.jp/news/19413/
» 受賞団体の詳細はこちら: https://www.waterforum.jp/news/18869/

開催日時・場所 概要
3月25日(金)
第9回世界水フォーラム閉会式内
主催:京都市、日本水フォーラム、WWC
受賞団体: プラガッティ(インド、南オリッサ州コラプット地区)
ゲスト: Katosi Women Development Trust(ウガンダ、京都世界水大賞2012受賞団体)
協賛 ゴールドスポンサー: 株式会社CB株式会社
スポンサー: 島津製作所、株式会社東京建設コンサルタント、オルガノ株式会社、五洋建設株式会社、川合鑿泉工業株式会社(順不同)

お使いのブラウザーはこのサイトの表示に対応していません。
より安全な最新のブラウザーをご利用ください。