国際交流イベント「ユース水フォーラムアジア2025」を開催しました!

YWFA2025 登壇者を中心に集合写真①
(Photo: Komib Indonesia Documentation)
YWFA2025 登壇者を中心に集合写真②
(Photo: Komib Indonesia Documentation)

日本水フォーラムは、韓国水フォーラムおよびKomib Indonesiaとともに、2025年9月19日、インドネシア・ジャカルタにて、水をテーマとしたユース世代の国際交流イベント「ユース水フォーラムアジア2025(Youth Water Forum Asia 2025)」*を共催しました。参加者はインドネシアの高校生世代をはじめとした約350名が参加し、インドネシアの政府関係者、企業、NGO、教育機関など多様なステークホルダーが集い、若者ならではの視点から水問題に向き合い、その重要性を参加者と共有しました。

*「ユース水フォーラムアジア」は、2022年4月に熊本市で開催された第4回アジア・太平洋水サミットを契機にスタートした人材育成・啓発プログラム「ユース水フォーラム」の活動の一環です。「ユース水フォーラムアジア2025」は、2023年11月に熊本で開催した「ユース水フォーラムアジア」、2024年11月に韓国・大邱市で開催した「ユース水フォーラムアジア2024」に続いての開催となります。

日本、韓国、インドネシアから計11名の高校生世代が登壇し、各地域が抱える水問題の現状や解決に向けた取り組みを発表し、グローバルおよびローカルな水問題に対する協力を促進することを目指しました。日本からは、「ユース水フォーラム2024動画募集」に応募いただいた2校、北海道北見北斗高等学校 と 石川県立金沢錦丘高等学校より4名の生徒が日本の高校生世代を代表して参加し、自らの水に関する取り組みを英語で発表しました。

参加した高校生からは、「国によって水に対する意識や課題が異なることに驚いた」、「発表の際『どうすれば相手に伝わるか』を考え、試行錯誤を重ねた」、「自分たちの活動が国際的に共有され、評価されたことに感動した」、「海外の高校生の技術力に衝撃を受けた」などの感想が寄せられました。

本イベントの開催を通して、各国の高校生は多角的な視点を育み、水問題解決のために新たな視点を得ました。また、地域や文化を越えた交流のネットワークが生まれました。今後も、日本水フォーラムは、ユースの活動の場が広がるよう引き続き取り組んでまいります。

開催概要

  • イベント名:Youth Water Forum Asia 2025(YWFA2025)
  • 開催日:2025年9月19日・20日
  • 会場:インドネシア・ジャカルタ
  • 主催:日本水フォーラム、韓国水フォーラム、Komib Indonesia
  • 参加国:日本、韓国、インドネシア

高校生による発表

日本の高校生の発表

  • 北海道北見北斗高等学校:常呂川の水質調査とビオトープ保全活動、外来藻類「アオミドロ」の繁殖抑制に向けた「活性水」の研究。
  • 石川県立金沢錦丘高等学校:災害時にも活用可能な川や水路に取り付ける超小型水力発電装置の開発と実証実験。
北海道北見北斗高等学校の生徒による発表
石川県立金沢錦丘高等学校の生徒による発表

韓国の高校生の発表

  • Korean Minjok Leadership Academy (KMLA)
    • TEAM 1: MOFs(Metal Organic Frameworks)を活用した大気水収集装置の開発。外部電力を使わずに複数回の水収集が可能な装置の試作と実験。
    • TEAM 2: 磁性アルギン酸ビーズ(MABs)による水質浄化と肥料化への応用。海藻から抽出した成分を使って、重金属やマイクロプラスチックを吸着・除去するビーズを開発。

インドネシアの高校生の発表

  • Komib Indonesia:
    • 大気水生成装置(Atmospheric Water Generator)の試作
    • ホテイアオイを活用したオーガニック石鹸製造ワークショップについての発表
    • 使用済み食用油の再利用
    • ジャカルタの地盤沈下対策と水質改善技術の提案

基調講演

午後には、ルトノ・マルスディ国連事務総長水担当特使による基調講演が行われました。

講演では、次のようなメッセージが共有されました。
・水は命である。水問題はすべての世代に影響する課題であり、今すぐ行動する必要がある。
・「若者は未来のリーダーではなく、今日のリーダーである」
若者は変革を起こす力を持っており、世界の水問題解決に不可欠な存在である。

さらに、若者に向けて次の3つの行動を呼びかけました。
1. 技術やAIを活用し、水問題の解決に貢献すること。
2. 地域のニーズを反映し、影響を受けやすい人々を優先するなど、声を上げて行動すること。
3. 前世代から知識や経験を受け継ぎ、協力して課題に取り組むなど、世代間の対話を強化すること。

講演の最後に、「水の未来はあなたたちの手の中にある」と語られました。

基調講演

パネルディスカッション

パネルディスカッションには、ユアナ・ロクマ・アストゥティ氏(インドネシア創造経済省 デジタルコンテンツ局長)をはじめ、企業、NGOの代表が登壇し「水問題への協働と若者の役割」について議論しました。

・インドネシア創造経済省は、若者の水リテラシー向上とローカルイノベーション促進を課題として挙げ、SNSや教育ゲームによる啓発、スタートアップ支援プログラムを紹介しました。
・MODENA社は、安全な飲料水へのアクセス不足や水資源管理の非効率性を指摘し、給水インフラ整備や若者のSNS活用による行動促進の重要性を強調しました。
・Kitabisaは、クラウドファンディングを通じた環境保全活動などを紹介し、小さな行動の連鎖が大きな変化を生むことを訴えました。
・日本水フォーラムでは、日本での水災害対応の経験を活かし、アジア全体での知見共有を進める必要性を強調しました。

パネリストからは、「水は贅沢品ではなく、人権である」、「小さな行動が広がり、大きな変化につながる」といった、行動を促すメッセージが語られました。

パネルディスカッション

関連リンク

(報告者:マネージャー 武石晃徳)

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