JWF News 9月号 JWFファンド2020 採用団体が決定しました!

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【JWF News Vol. 191】 2020年9月16日発行

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◇目 次◇

・巻頭言 【特別寄稿】流域マネジメントが目指すもの

・日本水フォーラムからのお知らせ
– JWFファンド2020 採用団体が決定しました!
– 京都世界水大賞2021 公募を開始しました!

・日本水フォーラムからの報告
– 国際ウェビナー 「気候変動下の洪水管理に対処していくための自然を基盤とした解決策」 開催報告
– JWFファンド2019 プロジェクト完了報告(ケニア)

・活動へのご支援・ご協力のお願い

・掲示板コーナー

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・巻頭言 【特別寄稿】流域マネジメントが目指すもの
日本水フォーラム評議員 虫明功臣(東京大学名誉教授/福島大学名誉教授)

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水循環基本法の前史
 「健全な水循環系の構築」は今日の水循環基本法の基本理念であるが、既に約四半世紀前、水関連省庁に共通の政策用語となっていて、各地でこれを標榜する流域水循環健全化計画が立案・実施された。
 筆者は当時から、いくつかの流域において関与し、それらは現在でも続いている。それぞれの流域で、後述する「流域マネジメント」と類似の枠組みで、総合的かつ流域が一体となった取り組みを目指しているが、最大の壁は、行政の縦割りである。専門が異なる行政部門間の縦割りと国・都県・市町村という行政の地域割り、この二重の縦割りにどう横串を刺すか。これが流域マネジメントの成否のカギだと思っている。

水循環基本法/水循環基本計画における流域マネジメントの推奨
 2014年水循環基本法制定の動機は、水行政の総合化、縦割りの是正にあった。2015年、基本法の理念の実現のために策定された水循環基本計画の肝は、流域の総合的かつ一体的管理としての「流域マネジメント」の推奨である。流域管理という考えは新しいものではなく、例えば、流域内の関連自治体の合意を必要とする水系単位の水資源開発の仕組み、都市化河川流域における総合治水対策などがこれに当たる。ただ、これまでの流域管理は対象を限定した公的機関中心のトップダウン方式と言える。
 これに対して、水循環基本計画における流域マネジメントは、流域という地域の広がりの中で、水循環系と人間との係わりに視座を置いて、地域で水に関わる様々な主体が連携・協働して取り組むマネジメントであり、対象の広さと関係者の多さ、そして地域の役割の大きさにおいて旧来の流域管理とは著しい違いがある。我が国の民主主義社会の成熟過程、「中央から地方へ」、「官から民へ」、「公助から共助・自助へ」の流れの中、国際的にはSDGs<持続可能な開発目標>が提唱される中、そうした社会背景を具現化する、水を通した新たな国土マネジメントへの挑戦と言える。また、世界に類例のない総合的水管理(IWRM)の優れた形を提示している。

総合化、連携・協働へのアプローチはケースごとに
 この5年間に、水循環政策本部は、流域水循環基本計画44件を認定・公表した。これらはすべて地方公共団体が主導する計画であり、総合行政の実現はまず、地域の課題に則して現場からと言えるであろう。
 一方、水害が狂暴化する中、国土交通省では「流域治水」を打ち出している。その構成要素として、河川における対策、流域における対策、ソフト対策の3つを掲げ、先ずは流域全体で実施すべき河川での対策を提示し、流域対策とソフト対策はイメージの提示にとどめて、今後関係機関と連携し対策を検討することとしている。特に、土地利用、まちづくり/地域づくりと密接に関連し、地域の主体的参画が欠かせない流域対策については、流域マネジメントの枠組みで臨むべきと考える。

縦割り行政の狭間を埋める日本水フォーラムの取り組みへの期待
 行政の縦割りは、役割分担であり、行政には必須のものであるがゆえに、問題解決に向けての関係行政部門の調整が不可欠、これには多大の時間とエネルギーを要するであろう。しかし、それなくして連携・総合化はあり得ない。世論の後押しも必要である。
 日本水フォーラムは、様々な分野から有識者を結集し、行政官や政治家とも繋がりを持って、縦割り行政の狭間を埋める取り組みを進めるユニークな組織である。この方面での活動の継続と更なる発展を期待する。

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・日本水フォーラムからのお知らせ

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– JWFファンド2020 採用団体が決定しました!

JWFファンドは、2005(平成17)年に日本水フォーラム(JWF)が設立し、JWFへの会費や一般の方から寄せられた寄付を元に独自に運営する助成基金です。発展途上国の水問題解決のために草の根活動を行っている団体を対象に、毎年プロジェクトを公募し、採択された団体には1プロジェクトあたり1,000 USドルを上限とした資金を助成しています。

2020年度では、35カ国から347件の応募がありました。選考の結果、本年度は6カ国7件のプロジェクトに対し支援を実施することを決定しました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2020/0916/?p=15061?tag=jp,rep_jp

(報告者:ディレクター 浅井重範、副マネージャー 郡司晃江)

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– 京都世界水大賞2021 公募を開始しました!

「京都世界水大賞」は、世界で唯一*、 途上国の水問題に向けて優れた草の根活動を続ける団体を顕彰する、国際的な賞です。
2003年、第3回世界水フォーラムが日本(琵琶湖・淀川流域)で開催されたことを契機に、 京都市と世界水会議により創設されました。 以来、3年に一度開催される、世界水フォーラムに併せて実施されています。
*日本水フォーラム調べ

日本水フォーラムは、京都世界水大賞2021の公募を行います。大賞団体には賞金として200万円が贈られます。
公募締切は、2020年10月15日(木)12:00(日本時間)です。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/kyoto-prize/2020/0904/?p=15124

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・日本水フォーラムからの報告

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– 国際ウェビナー 「気候変動下の洪水管理に対処していくための自然を基盤とした解決策」 開催報告

8月27日17時~17時45分(日本時間)、日本水フォーラム(JWF)と「NoWNET」は、ストックホルム世界水週間アットホーム(World Water Week At Home)にて、「気候変動下の洪水管理に対処していくための自然を基盤とした解決策」と題してウェビナーを開催しました。

気候変動の影響による河川洪水や都市洪水リスクに対処していくため、NoWNETメンバー機関(オランダ、スウェーデン、デンマーク、日本、韓国)が、これまで実践してきた、自然を生かした解決策(NBS; Nature-based Solution)を通じて得られた教訓を共有するとともに、将来想定される課題を克服していくための施策について議論しました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/transmitting_japanese/nownet/2020/0916/?p=15469

(報告者:マネージャー 朝山由美子)

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– JWFファンド2019 プロジェクト完了報告(ケニア)

JWFファンド2019には、36カ国から302件の応募があり、選考の結果、6カ国7件の活動を支援しました。
今回は、ケニアで実施された湧水保護設備の建設と衛生環境の改善プロジェクトについて、ご報告いたします。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2020/0914/?p=15254?tag=jp,rep_jp

(報告者:ディレクター 浅井重範、アシスタント・マネージャー 田畑美代)

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・活動へのご支援・ご協力のお願い

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大胆な発想と行動力で地球上の水問題解決を目指す日本水フォーラムを応援してください

日本水フォーラムは、認定NPO法人です。日本水フォーラムへの「ご寄付」と「賛助会員の会費」は、税制優遇の対象となります。

▼税制優遇の内容はこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/info/2020/0520/?p=13453?tag=jp,rep_jp

▼ご寄付・遺贈に関するご案内▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/make_a_donation

▼会員募集に関するご案内▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/become_a_member

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「第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)」は一年程度の延期となりましたが、開催に向けた準備は着実に進めて参ります。
新たな日程で4th APWSを円滑に開催できるよう、引き続きご寄付・ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

▼寄付の詳細はこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/make_a_donation#1

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・掲示板コーナー

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【メタウォーター打ち水大作戦2020】
主催:メタウォーター株式会社
期間:令和2年8月1日~10日(月)
実施結果ご紹介(9月末日まで公開)
URL:https://sites.google.com/metawater.co.jp/uchimizu2020/

【2021日本ストックホルム青少年水大賞】
主催:日本水大賞委員会・国土交通省(事務局:公益社団法人日本河川協会)
募集期間:令和2年4月1日~10月31日
表彰式:令和3年6月下旬~7月上旬 日本科学未来館 予定
URL:http://www.japanriver.or.jp/sjwp/index.htm 

【第23回日本水大賞】
主催:日本水大賞委員会・国土交通省(事務局:公益社団法人日本河川協会)
募集期間:令和2年7月7日~10月31日
表彰式:令和3年6月下旬~7月上旬 日本科学未来館 予定
URL:http://www.japanriver.or.jp/taisyo/

※免責事項:日本水フォーラムは、掲示板の掲載情報に関して責任を負いかねます。
掲載情報へのお問い合わせは各主催者へお願いいたします。

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▼過去のJWF Newsはこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/news/newsletter

※掲示板への掲載希望、新規配信希望、配信停止・変更などは、下記アドレスまで

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JWF News Vol. 191 令和2年9月16日発行
特定非営利活動法人日本水フォーラム(認定NPO法人)
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町5-4 アライズ第2ビル6階
TEL: 03-5645-8040 FAX: 03-5645-8041
E-mail: news[at]waterforum.jp URL: https://www.waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。

現在、新型コロナウイルス感染拡大の防止対策として、職員一同在宅勤務・テレワークを実施しています。
そのため、ご意見等に対するご返信に数日を要する場合もございますので、予めご了承頂きたくお願い致します。
皆様の安全とご健康を祈念申し上げます。

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このコンテンツは、公益財団法人 河川財団の河川基金の助成を受けています。

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