ストックホルム世界水週間2025が、8月24日から28日にかけて、ストックホルムおよびオンラインのハイブリッド形式で開催されます。
今年のテーマ「Water for Climate Action(気候行動のための水)」に沿い、アジア・太平洋水フォーラム(APWF)は、アジア・太平洋地域の課題解決に向けた行動に焦点を当てた4つのセッションを実施します。また、ナウ・ネット(NoWNET)としても、パートナー機関と共に1つのセッションを開催します。

アジア太平洋フォーカスセッション
地域フォーカスセッションは、世界水週間の重要な柱です。アジア太平洋水フォーラム(APWF)は、ストックホルム国際水研究所(SIWI)との覚書に基づき、地域パートナー機関と緊密に連携しながら、4つのアジア太平洋フォーカスセッションを主導・調整しています。これらのセッションでは、地域が直面する水課題の解決に向けた革新的な取り組みやパートナーシップを紹介します。
1. アジアの水インフラの脱炭素化:低炭素で気候レジリエントな未来へのロードマップ
8月25日(月)9:00-10:30 CEST(日本時間16:00-17:30)会場Room C1, Level 2/オンライン
アジア太平洋の水インフラが、脱炭素化を通じて気候目標達成に貢献しつつ、レジリエンス、公平性、水の安全保障をどのように強化できるかを探ります。実践的・戦略的アプローチを検討し、各国の気候公約やSDGsと整合する高インパクトな解決策を特定することを目指します。事例やツール、協働戦略を共有。優先行動の明確化と地域の実践コミュニティ形成を通じ、水分野の低炭素移行を加速させていくための道筋について議論します。
共催機関:
- APWF
- グローバル・インフラストラクチャー・バーセル財団 (GIB)
- ニューサウスウェールズ大学 世界水機構
- 国際水管理研究所(IWMI)
- ストックホルム環境研究所(SEI)アジア支部
- クイーンズランド大学
2. アジア太平洋における早期警報:科学と行動の橋渡し
8月26日(火)9:00-10:30 CEST(日本時間16:00-17:30)会場Room C1, Level 2/オンライン
本セッションでは、早期警報システム(EWS)のギャップを解消するための解決策を探ります。マルチステークホルダーの協力、デジタル・宇宙技術の革新、ガバナンス改革を重視し、地域主導の影響重視型アプローチや科学と社会のつながり強化を通じて気候レジリエンスを高めます。専門家が事例や実証済みの戦略を紹介し、「EW4All」イニシアティブの4本柱に沿った取り組みを通じて、誰一人取り残さない、明確で実行可能かつ包摂的な警報の発信と備えの向上に貢献します。
共催機関:
- アジア災害防止センター(ADPC)
- オーストラリア水パートナーシップ (AWP)
- 国際総合山岳開発センター(ICIMOD)
- 国際水管理研究所(IWMI)
- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
- 韓国環境研究院 (KEI)
3. アジアの水・エネルギー・食料・生態系の未来:水力発電と自然共生型解決策の調和
8月26日(火)11:00-12:30 CEST(日本時間18:00-19:30)会場Room C1, Level 2/オンライン
本セッションでは、水・エネルギー・食料・生態系(WEFE)ネクサスの視点から、水力発電と自然共生型解決策(NbS)の相互作用を深堀りします。アジアが直面する生態系サービスの課題、気候リスク、洪水、干ばつへの対応を検討し、流域および地域レベルでの土地利用計画、ガバナンス、資金調達を通じて、WEFE間のトレードオフ調整、生物多様性保全、脆弱な地域社会の保護の重要性を強調します。
共催機関:
- アジア災害防止センター(ADPC)
- グローバル・インフラストラクチャー・バーセル財団 (GIB)
- 国際水管理研究所(IWMI)
- IUCNアジア支部
- ユネスコ北京事務所
4. ヒンズークシュ・ヒマラヤにおける気候レジリエントな水管理のための地域協働の活用
8月27日(水)9:00-10:30 CEST(日本時間16:00-17:30)会場Room C1, Level 2/オンライン
ヒンズークシュ・ヒマラヤ(HKH)地域では氷河の融解が加速しており、約20億人の人々の暮らしが脅かされています。本セッションでは、地域協力と科学外交がどのように水管理の強化、データギャップの解消、資金動員に貢献できるかを探ります。共同研究、早期警報システム、地域主導の適応策、自然共生型解決策(NbS)を通じて、気候レジリエントなHKHの構築を目指します。
共催機関:
- APWF
- アジア開発銀行 (ADB)
- アジア災害防止センター (ADPC)
- 国際総合山岳開発センター(ICIMOD)
- 国際水管理研究所(IWMI)
- IUCN アジア支部
NoWNET セッション
気候行動の加速:水レジリエンスのためのクロスセクターパートナーシップ
8月28日(木)9:00~10:30(CEST)(日本時間16:00-17:30)会場Room 3, Level 2/オンライン
本セッションでは、2024年6月公表のEU水レジリエンス戦略で示された水分野における気候行動加速の戦略を探ります。EU委員会からの知見や、欧州・韓国・日本の事例を通じて、解決策、ガバナンスモデル、資金調達メカニズムを紹介します。政策の整合性に関する意見交換や信頼構築、国際的なイニシアティブとの連携を通じて、水レジリエンスのためのイノベーション、協力、ガバナンス支援の重要性を強調します。
共催機関:NoWNET(ノーザン・ウォーター・ネットワーク)
- 日本水フォーラム
- デンマーク水フォーラム
- フランス水パートナーシップ
- 韓国水フォーラム
- オランダ水パートナーシップ
➤プログラムを見る(Coming soon)
登録すれば、ストックホルム世界水週間のオンラインプラットフォームにアクセスでき、全てのセッションへのライブ聴講、そして録画の視聴が可能です。ぜひご参加ください!
(報告者:チーフ・マネージャー 朝山由美子)