JWF News 5⽉号 スマートシステム時代の土地改良-後編

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【JWF News Vol. 199】2021年5⽉19⽇発⾏
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◇⽬次◇
・巻頭⾔ 【特別寄稿】スマートシステム時代の土地改良-後編
・⽇本⽔フォーラムからのお知らせ
 - 令和3年度 通常総会の開催について
 - 第1回JWFウェビナーの開催のご案内
 - 第10回APWFウェビナーのご案内
 - 第11回APWFウェビナーのご案内
・⽇本⽔フォーラムからの報告
 - 「第4回アジア・太平洋水サミット開催1年前イベント」を開催しました!
 - 第9回APWFウェビナー 開催報告
 - JWFファンド2020 完了しました!
 - JWFファンド2019 完了から1年後の様子
 - 第3期「水循環基本法フォローアップ委員会」(FU委)始動
・活動へのご⽀援・ご協⼒のお願い

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・巻頭言 【特別寄稿】スマートシステム時代の土地改良-後編
⽇本⽔フォーラム評議員 佐藤 洋平(東京大学名誉教授)
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【土地改良事業の展開】
 土地改良事業は、農業の生産性の向上、農業総生産の増大、農業生産の選択的拡大および農業構造の改善のために行うことを目的に、農政の新しい方向を推進すべく当然にその一翼を担い展開されてきた。戦後復興期には食糧増産対策として活発に展開された。経済の高度成長期に入る1961年に農業基本法が制定され、高い労働生産性の農業へと近代化を支える基盤の整備として1963年に圃場整備事業が創設された。不正形狭小区画の耕地を30アールの区画に整備する区画整理と農業用用排水施設および農道をあわせて整備する一体事業である。区画整理では分散した農地の集団化を図り経営農地の分散性の改善に努めた。国際化に対応した生産性向上と低コスト化が求められた1990年代には0.6~1ヘクタールの大区画の圃場整備は、農地の流動化を進め担い手農家に農地の集積を図る担い手の育成と一体となって実施することで、経営規模の零細性と階層性の改善も図った。
 農業従事者の高齢化、遊休農地化など農業の衰退化に対し、2013年に「農地中間管理事業の推進に関する法律」を制定し、農地流動化を一層進め地域農業の担い手に農地集積し有効利用を図る農地中間管理機構(以下、機構という)を創設した。2017年に土地改良法を改正し、機構の借受け農地(中間管理権設定農地)は、農家の申請、同意、費用負担によらず都道府県が基盤整備事業を実施できる機構関連農地整備事業を創設した。今、農地の分散性と農業経営の零細性および階層性の解消が進められている。

【スマート農業の土地改良】
 今日、コンピュータ科学技術の跳躍的発展を基礎に、ICTは社会のスマート化を推し進めている。例えば、全自動操縦の文字通りの「自動車」開発が最終段階にあることや、スマート化するタウン開発などにみることができる。農業部門では、農業DXが農業政策の柱の一つになっている。平地農業地帯で米麦主体の土地利用型農業がトラクターや、病害虫のモニタリングと薬剤散布のドローンなど農作業機器が無人かつ全自動で走り回るスマート農業の実現は目の前にある。

超大区画ほ場(4.2ha)とスマート農業(食味・収量・地力情報コンバイン)上越市板倉区

 こうしたスマート農業の実現には、十分大きな区画と用排水条件の整備と併せて通信インフラを具備するなど装置化された圃場を整備する新たな発想が求められる。圃場を「素地(底地)」+「土地改良投資により造成された装置」と考え土地改良投資を公的資金で行うという着想(佐竹五六著『土地と水』)は、スマート農業の実現を支える装置化された圃場システムの整備に示唆を与える。工場(建物、機械装備など)を賃借して製造業を営む経営者がその使用料を支払うように、担い手の大規模農家は整備された圃場(「素地」+「装置」)の適正かつ妥当な使用料(地代を含む)を支払い、「素地」の所有者は地代を受け取る。農業を営む意思のない農地所有者は、農地(資産)の増価を整備費の負担無しに享受し、かつ、地代を受領できる。しかし、圃場を貸し出すことを条件とする。この具体のイメージは現行の機構関連農地整備事業の制度拡充である。現行事業の「借受けてから整備」の基本を「整備してから借受け」に転換、「地域内全農地(・・・)」の整備、整備後の全農地(・・・)に中間管理権を設定、「素地」所有農家の3分の2以上の同意を求める点が現行と異なる。整備後の圃場は担い手農家が使用し土地管理は機構が担う。スマート農業の展開を支える生産基盤の整備として実現を大いに期待したい。

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・⽇本⽔フォーラムからのお知らせ
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– 令和3年度 通常総会の開催について

令和3年度 通常総会は、6月下旬に開催を予定しております。
詳細につきましては、6月上旬頃、あらためてご案内申し上げます。

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– 第1回JWFウェビナーの開催のご案内

日本は、最初から順調に水政策を進めてきたわけではありません。過去には、日本も洪水や浸水で大きな被害を受け、水に起因する感染症に悩まされ、大規模な公害の発生もありました。
私たちが、今は当たり前だと思っている、水の恵みを最大限に生かし、水の災いから私たちを守る仕組みや長年の経験で培った技術やノウハウを世界に向けて発信していきます。

☆ 日時 2021年5月28日(金) 17:00~18:00(日本時間)
☆ スピーカー 認定NPO法人日本水フォーラム代表理事 竹村 公太郎
☆ トピック  日本の水 失敗から学ぶ歴史

▼登録フォームはこちら(Zoomによる実施)▼
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_Sm8THmVcSrCL9d1T4x1r7w

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/news/18002/

(報告者:マネージャー 吉井麗子)

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– 第10回APWFウェビナーのご案内

・日時:5月21日(金)16:00-17:30(日本時間)
・トピック:水セクターのインテグリティ(健全性と透明性)の強化:アジア太平洋地域の水の安全保障を高めていくうえでの重要性
・スピーカー:ウォーター インテグリティ ネットワーク、緑の気候基金独立インテグリティユニット(GCF-IIU)、インフラストラクチャーの透明性イニシアティブ(CoST)

▼詳細・参加登録はこちら(英語)▼
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_tR8m_Mm6TtehN9nXLIuh-A

(報告者:マネージャー 朝山由美子)

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– 第11回APWFウェビナーのご案内

日時:6月30日(水) 16:30-17:30(日本時間)
トピック:地下水・見えないものを可視化する
スピーカー:
・アディティ・ムカルジー 国際水管理研究所(IWMI)ニューデリー主任研究員
・アムリタ・カストゥリランガン Arghyamシニアマネージャー

▼詳細・参加登録はこちら(英語)▼
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_aATofxE1TvaI7y0gjHoIAA

(報告者:マネージャー 朝山由美子)

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・⽇本⽔フォーラムからの報告
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– 「第4回アジア・太平洋水サミット開催1年前イベント」を開催しました!

第4回アジア・太平洋水サミット(2022(令和4)年4月23日(土)、24日(日)の2日間開催)開催1年前を記念し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に配慮して、下記のとおりイベントを開催しました。

イベントの第1部では、水循環・水資源に関する研究の第一人者である東京大学教授 沖大幹氏の基調講演がありました。題目は「世界の水、熊本の水」で、水循環、バーチャルウォーター、恵みの水と災いまで幅広くお話しいただき、水問題に対する意識向上につながる貴重な講演でした。

第2部では、パネル討議があり、水環境問題、国際社会への参画などについて、熊本大学特任教授 渡邉紹裕氏をコーディネーターとし、沖教授、大西市長、そして次世代を担う高校生を交え、ディスカッションを行いました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/news/17977/

(報告者:マネージャー 福田裕子)

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– 第9回APWFウェビナー 開催報告

アジア・太平洋水フォーラム(APWF) は、第4回アジア・太平洋水サミット開催までの間、アジア太平洋地域49カ国の政府職員、大使館職員及び日本政府の職員などを対象に、水分野の知見の幅を広げ、深化させることを目的としてAPWFウェビナーを開催しています。
4月15日(木)に開催した第9回APWFウェビナーでは、アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)アジア・パシフィックCEO ミーガン・マクラウド氏をスピーカーにお迎えし、「ウォーター・スチュワードシップを通じた持続可能な水管理への産業界の参加」について議論を行いました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/news/18011/

(報告者:マネージャー 朝山由美子)

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– JWFファンド2020 完了しました!

JWFファンドは、2005(平成17)年に日本水フォーラム(JWF)が設立し、JWFへの会費や一般の方から寄せられた寄付を元に独自に運営する助成基金です。発展途上国の水問題解決のために草の根活動を行っている団体を対象に、毎年プロジェクトを公募し、採択された団体には1プロジェクトあたり1,000USドルを上限とした資金を助成しています。

この基金は、日本水フォーラムの会費や、一般の方から寄せられた寄付等により運営されています。

JWFファンド2020では、新型コロナウイルスの感染予防にも欠かせない水と衛生に関する課題解決を目指すプロジェクト7件を支援しました。プロジェクトでは、感染症対策に関する啓発活動も実施されました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/news/17958/

(報告者:ディレクター 浅井重範、副マネージャー 郡司晃江)

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– JWFファンド2019 完了から1年後の様子

JWFファンドは、現場の課題やニーズに効率的かつ効果的に応えることを念頭に活動しています。2015年からは、活動終了から約1年後に課題やニーズにどのような変化が見られたかを把握、理解することを目的に、現地団体の協力を得て、フォローアップ調査を実施しています。

フォローアップ活動を開始して6年目となる2020年度は、JWFファンド2019で支援した7件の実施団体のうち、5団体(シエラレオネ1件、ウガンダ1件、ケニア1件、パプアニューギニア1件、ハイチ1件)から実施承諾の回答を得て、フォローアップ調査を実施しました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/news/17964/

(報告者:ディレクター 浅井重範、副マネージャー 郡司晃江)

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– 第3期「水循環基本法フォローアップ委員会」(FU委)始動

「FU委」は、水循環基本法(2014年施行)の基本理念が広く共有化され具現化されることを目指して、水制度改革議員連盟の下部組織として設置された民間の有識者会議です。
今年度から、第3期がスタートしました。これまでの成果をもとに、活動の更なる充実が期待されています。
日本水フォーラムは、「FU委」創設以来、委員として「FU委」に参画しています。
今後も一層の成果を目指し、取り組んでまいりますので、皆様のご支援ご鞭撻を、よろしくお願い申し上げます。

▼第2期FU委の活動報告はこちら(Google Driveで公開されています)▼
https://drive.google.com/file/d/1pIrk_b6L00mIUQOv7OhuLbN-shWYpLJx/view

▼FU委のウェブサイトはこちら▼
https://mizugiren.blue/fu/

(報告者:マネージャー 桑原清子)

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・活動へのご⽀援・ご協⼒のお願い
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「第4回アジア・太平洋⽔サミット(4th APWS)」

開催⽇程︓令和4(2022)年4⽉23⽇(⼟)〜24⽇(⽇)
4th APWSを円滑に開催できるよう、ご寄付・ご⽀援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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JWF News Vol. 199 令和3年5⽉19⽇発⾏
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皆様の安全とご健康を祈念申し上げます。
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