「貧困者への雨水」バゲルハート県サウスカリユニオン(バングラデシュ)

1.事業地
バングラデシュ クルナ管区 バゲルハート県 シャランコラ郡 サウスカリユニオンライエンダ村 バクルタラ地内 Jagrata Juba Shangha(JJS)事務所


Created with mapchart.net
事業地の平面図

2.受益者数
500人(100世帯、男性174人、女性176人、子ども150人)
3.現地パートナー団体
Jagrata Juba Shangha(JJS、ベンガル語:目覚めた青年協会)
Website: www.jjsbangladesh.org
Facebook: https://www.facebook.com/jjsbangladesh
4.プロジェクト実施概要
1)水と衛生に関する背景
バングラデシュ南西部の沿岸地域では、サイクロン、高潮、塩分の上昇といった気候変動に起因する災害の影響により深刻な水問題に直面している。地下水は塩分や鉄分に汚染され、飲用には適していない。こうした課題に対して貯水容量40,000リットルの雨水貯留システム(Rain Water Harvest System、以下RWHS)の設置と衛生キャンペーンを通じて、特に脆弱な立場にある人や社会的に疎外された人への年間を通じて安全な飲料水へのアクセスを確保することが本プロジェクトの目的である。
2)実施事項
(1)契約と署名
本プロジェクトの覚書(MoU)は、2025年7月1日にJJSと日本水フォーラム(JWF)の間で締結され、正式に開始した。
(2)NGO局承認
JJSはバングラデシュ政府首相府NGO局の正式承認に必要な外国寄付申請書(Form-6)の準備を行い、2025年6月第3週に提出した。通常3か月かかる審議期間を大幅に早くしていただき、2025年8月13日にNGO局の承認を取得してプロジェクト活動は遅延なく開始した。
(3)施工請負業者選定
2025年8月26日にRWHS施工および雨水貯留槽調達公開入札を実施して、競合評価過程を経てマリヤム・エンタープライズ(Maryeam Enterprise)を施工請負業者に選定した。建設作業は2025年9月に開始して、11月第3週に完了した。


(4)RWHSの施工
2025年9月にRWHSの施工は開始した。建設資材と機材の搬入後、鉄筋コンクリート製基礎と保護構造物の整地から工事が始まった。基礎と保護構造物が完成して、容量10,000リットルの雨水貯留槽4基が設置された。施設施工にあたり、耐久性、効率的な雨水収集、維持管理の容易さを考慮した設計仕様の承認を行った。主要構造物が設置されて、RWHSの全容が整った。




(5)施工時の課題
搬入された10,000リットル雨水貯留槽のうち1基が破損していた。これらの雨水貯留槽は特注の受注生産品であり、代替品の準備には追加時間が必要となった。最終的に、供給業者より2025年10月最終週に新しい雨水貯留槽を納品され設置された。この遅延により、設置後すぐの雨季に施設稼働ができなかった。現在はRWHSの準備が完全に整ったので、次の雨季には効果的な雨水収集開始ができる見込みである。
(6)今後の予定
|
活動項目 |
数量 |
日程 |
|
利害関係者との会議 |
郡、その他利害関係者と1回 |
12月第1週 |
|
衛生キャンペーン |
||
|
事務所場内研修会 |
2 sessions (20 participants per session) |
12月第2週 |
|
学校衛生キャンペーン |
1回 |
12月第1週 |
|
水質試験 |
1回 |
未定 |
|
引渡式式典 |
1回 |
12月第1週 |
|
報告書作成 |
|
|
|
完了報告書 |
1部 |
2026年1月 |
(7)まとめ
「貧困者への雨水」プロジェクトは、物流上の課題があったにもかかわらず、順調に進捗した。主な準備および建設活動は、すべて計画通りに完了した。完成したRWHSはすでに使用可能な状態にある。利害関係者との会議、衛生キャンペーン、水質検査、引渡式などの残された活動は、2025年12月および2026年初頭に実施予定である。本プロジェクトは、サウスカリユニオンの脆弱な世帯への持続可能で安全な飲料水アクセスを確保するという目標に向けて着実に前進している。
▼2025.7.31 ダルビッシュ 有 水基金 第18号プロジェクト『「貧困者への雨水」バゲルハート県サウスカリユニオン(バングラデシュ)』を開始しました!▼
https://www.waterforum.jp/news/23543/
【お問い合わせ先】
特定非営利活動法人 日本水フォーラム
TEL 03-5645-8040 FAX:03-5645-8041
office[at]waterforum.jp([at]を@に代えて送信してください)
(Reported by Takejiro Suzuki, Project Manager)
