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1.プロジェクト名
「貧困者への雨水」 バゲルハート県サウスカリユニオン(バングラデシュ)
2.実施地
バングラデシュ クルナ管区 バゲルハート県 シャランコラ郡 サウスカリユニオン ライエンダ村 バクルタラ地内


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実施地の様子

3.実施期間
2025年7月~2026年2月
4.現地実施団体
Jagrata Juba Shangha(JJS、ベンガル語:目覚めた青年協会)は、1985年からバングラデシュ南西部沿岸地域で活動しているNGO・NPOである。JJSは、この地域において豊富な水関連プロジェクト実施経験がある。現在、日本の国際協力NGOシャプラニールの支援によって、井戸台座のかさ上げ・雨水貯留システムの設置、サイクロン避難所での水アクセス確保などに取り組む「PROSTUTIプロジェクト」も実施中である。
JJSの詳細はこちら。www.jjsbangladesh.org
5.プロジェクトの背景と実施地の水問題
バングラデシュ南西部の沿岸地域では、サイクロン、高潮、塩分の上昇といった気候変動に起因する災害の影響により深刻な水問題に直面している。地下水は塩分や鉄分に汚染され、飲用に適していない。そのため、地域住民は池や雨水などの地表水に依存している。しかし、これらの水源は夏季には干上がってしまうことが多く、深刻な水不足が発生している。多くの家族では、特に女性や子どもたちが長い距離を歩いて水汲みをしなければならない。あるいは、水売りから飲料水を購入せざるを得ない状況である。
ほとんどの世帯に、適切な雨水貯留システムや機能的な打ち抜き井戸は整備されていない。また、学校やサイクロン避難所などの公共施設においても、安全な飲料水へのアクセスが確保できていない。こうした問題に、包括的な雨水貯留システム(Rain Water Harvest System、以下RWHS)を設置して、特に脆弱な立場にある人や社会的に疎外された人でも一年を通じて安全な飲料水へのアクセスを確保させることが本プロジェクトの目的である。




6.プロジェクト実施事項
本プロジェクトでは、サウスカリユニオンの脆弱な状況下にある500人の地域住民向けRWHSをサイクロン避難所に設置して、年間を通じた安全な飲料水へのアクセスを提供する。こうして、塩分・季節で制限される水源への依存を減少させる。水汲みの為に、長い距離を歩いていた女性や子どもの負担は軽減する。災害時には避難した住民が即座に安全な水を利用できるようになり、衛生状態の向上や水系感染症のリスク軽減となる。RWHSの使用方法・維持管理は管理委員会研修で習得して、利用者側の意識は地域住民・小学生衛生改善集会よって高め、プロジェクト終了後も持続可能で長期的な効果を得たい。
【施設】
- 貯水容量40,000リットルの地域共同体用雨水貯留システム(RWHS)設置
JJSは事務所敷地(100デシマル(1デシマル=40.47 m2)、サッカーグランド程度の広さ)内2デシマル分の土地にRWHSを設置する。この敷地には、既設事務所棟と最大300人収容可能な小規模サイクロン避難所があり、災害時には住民の避難所として利用される。RWHSが完成すれば、平常時だけでなく災害時にも信頼できる飲料水供給が可能となる。設置後は水質検査により安全性を確認する。
【研修】
- 管理委員会の結成
地域住民10人の管理委員会を結成して、オリエンテーション研修を1日行いRWHSの適切な運用・維持管理方法の知識と技術を習得させる。さらに、簡易修理や日常の維持管理用工具一式を委員会に提供して、RWHSの持続性と共同体による主体的な運営を図る。
- 衛生改善集会の実施
住⺠向け衛⽣改善集会を2回、小学生向け衛⽣改善集会を1回、予定する。

7.直接受益者数
500人(100世帯、男性174人、女性176人、子ども150人)
8.期待される成果
- 500人(100世帯:男性174人、女性176人、子ども150人)のRWHS利用。
- 管理委員会の結成と能力向上研修の実施。
- 住民と小学生向け衛生改善集会の実施。
このプロジェクト達成により、特に以下の持続可能な開発目標(SDGs、2015年国連採択)達成に貢献できる。なお、ダルビッシュ有水基金の設立は2007年である。



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【お問い合わせ先】
特定非営利活動法人 日本水フォーラム
TEL 03-5645-8040 FAX:03-5645-8041
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(報告者:プロジェクトマネージャー 鈴木 武二郎)