ストックホルム世界水週間2023 アジア・太平洋フォーカスセッションの開催
ストックホルム世界水週間2023が、8月20~24日にかけて、ストックホルムウォーターフロントコングレスセンターとオンラインのハイブリッド形式で開催されます。
今年のテーマは、「変化の種:水に対して賢明な社会を構築するための革新的解決策(Seeds of Change: Innovative Solutions for a Water-Wise World.)」です。
日本水フォーラム・アジア・太平洋水フォーラム(APWF)事務局は、今年のテーマに即し、次の5つのセッションを多様な機関と共催します。
1: Enhancing Local Resilience through Water-Culture-Innovation Nexus
「水・文化・イノベーションネクサスを通じた地域レジリエンスの向上」
- 8月21日 日本時間 18:00 ~ 19:30 (ストックホルム時間 11:00 am – 12:30pm)
- 共催機関: アジア・太平洋水フォーラム(APWF)、ユネスコマルチセクター東アジア局(UNESCO multisectoral Regional Office for East Asia)、アジア開発銀行(ADB)、世界水パートナーシップ中央アジア(GWP CACENA)、オーストラリア グリフィス大学 国際水センター(International WaterCentre: IWC)
2: Quest for the Holy Grail: accelerating investment in water
聖杯の探索:水への投資を加速する
- 8月22日 日本時間 16:00~17:30 (ストックホルム時間 9:00 – 10:30am)
- 共催機関: ADB, APWF, OECD, WaterEquity
3: Adapting to Climate Change: Innovative Approaches to Water Governance
「気候変動への適応 水ガバナンスの革新的アプローチ 」
- 8月22日 日本時間18:00 ~19:30 (ストックホルム時間11:00 – 12:30)
- 共催機関: APWF, 国連ハビタット(UN-HABITAT), ADB, 国際水管理機関 (IWMI), IWC, 韓国水フォーラム, ウォーター・インテグリティ・ネットワーク (WIN)
4: Collaborate to Accelerate: Innovating for future-focused water security.
加速化のための協働:将来に焦点を当てた水の安全保障
- 8月23日 日本時間 ストックホルム時間 15:00-16:00(ストックホルム時間8:00am – 9:00am CEST
5: Breaking with Business as Usual: Sanitation Innovations in the Asia-Pacific
旧態依然から抜け出す; アジア太平洋地域における衛生イノベーション
- 8月23日 日本時間16:00-17:30 (ストックホルム時間9:00am-10:30am)
- 共催機関:日本サニテーションコンソーシアム、APWF、ADB、ビル・メリンダゲーツ財団
今年の世界水週間は、オンライン参加登録の場合は、無料で聴講をして頂くことができます。「世界水週間2023」に参加登録をして頂ければ、数か月間セッション録画を無料でご覧頂くことも可能です。参加登録はこちらよりお願いします。
(英語サイト) https://www.worldwaterweek.org/tickets
世界水週間2023プログラム https://worldwaterweek.org/programme-2023
◆各セッション概要紹介
1.「水・文化・イノベーションネクサスを通じた地域レジリエンスの向上」
8月21日 日本時間 18:00 ~ 19:30 (ストックホルム時間 11:00 ~12:30)
セッション概要
水・文化・イノベーションは、人類の歴史を通じて強く結びついてきた。「水・文化・イノベーション・ネクサス」は、人々が水資源を管理する方法、彼らが生活する環境への適応、そして水環境におけるより高い効率性、保全、持続可能性を向上させるためのイノベーションを提示している。
「早期警報をすべての人に」は、毎年、水関連災害による世界全体の死者・犠牲者の3分の2を占めているアジア太平洋地域では不可欠である。この地域は、大災害による世界経済への打撃の半分を受けていると推定されている。しかし、地域コミュニティに深く根付いた歴史的・文化的遺産や知恵とともに、地域固有の知識をよりよく理解し、水クラスター災害への対応に展開することができれば、このような損失を大幅に防ぎ、減らすことができるだろう。それに伴い、早期警報にかかる費用も大幅に減少する。地域や先住民の知識に基づいた予防、防止、保全は、早期警報における重要な原則である。水文化・慣習に関する要素を早期警報システムや他のハード・ソフト対策に取り入れ、最新の技術的進歩と地域社会の集合的な知恵の両方を活用した総合的なアプローチを構築し、各流域ならではの河川空間を構築することができれば、最終的には災害リスク軽減の取り組みと流域地域活性化の全体的な効果を高めることができる。
私たちは、この地域の国々やコミュニティにとっての水・文化・イノベーションの結びつき、特に現在および将来の早期警報と水文学的解決策における文化の役割について、よりよく理解する必要がある。
本セッションでは、エビデンスに基づく実践と知的発展を共有し、水災害レジリエンスのために、この地域の知恵をどのように活用するのが最善かを共に議論する。自然との調和、文化的な情報に基づく水イノベーションに向けた地域の意思決定、行動提案を行う。
セッション共催機関
- アジア・太平洋水フォーラム(APWF)
- ユネスコマルチセクター東アジア局(UNESCO multisectoral Regional Office for East Asia)
- アジア開発銀行(ADB)
- 世界水パートナーシップ中央アジア(GWP CACENA)
- オーストラリア グリフィス大学 国際水センター(International WaterCentre)
プログラム
セッション概要: 朝山由美子日本水フォーラムAPWF事務局 |
冒頭スピーチ: バスキ・ハディムリヨノ インドネシア政府公共事業・国民住宅大臣 |
持続可能な河川流域管理のための水と文化の統合・学際アプローチ |
コミュニティベースの災害リスク低減と洪水予測と早期警報に関するADBの経験 |
ソロモン諸島事例 |
琉球諸島の水資源 |
スリランカ事例 |
将来の水資源開発を実用的で耐久性のあるものにするための中央アジアの新たな水ガバナンス |
パネルディスカッションと聴講者との質疑応答 |
まとめ |
2: Quest for the Holy Grail: accelerating investment in water
聖杯の探索:水への投資を加速する
- 8月22日 日本時間 16:00~17:30 (ストックホルム時間9:00 – 10:30am)
- 共催機関: ADB, APWF, OECD, WaterEquity
セッション概要
本セッションでは、アジア太平洋地域における水の安全保障に関する現在の資金ニーズの概要を紹介する。また、民間セクターの投資誘致における課題、水の安全保障を支援するために公的セクターの資金をより効果的・効率的に活用する方法、その他の革新的な資金調達手段についても検討する。また、水への投資を誘致し、持続させるための課題を克服するためのグッドプラクティスや事例を紹介する。
プログラム
セッション紹介 |
プレゼンテーション |
生態系を保全し回復させる水と自然への投資への加速化 |
インドネシア水セクターにおける投資の加速化 |
水と衛生に投資をする機会に関する投資家の視点 |
ベトナムにおける水道事業のソブリン債から非ソブリン債への移行 |
インドにおける衛生と汚水管理セクターへの民間投資活用 CEPT 大学水と衛生センター主幹 Meera Mehta |
パネルディスカッション・Q&A |
まとめ |
3.「気候変動への適応 水ガバナンスの革新的アプローチ 」
8月22日 日本時間18:00-19:30 (ストックホルム時間11:00-12:30)
セッション概要
本セッションでは、気候変動課題に対応した水ガバナンスの枠組みの必要性と、その実装に寄与する革新的なアプローチに焦点を当てる。 各スピーカーは水分野の視点からの気候変動適応戦略や政策改革事例、水資源管理に寄与する革新的な技術の活用事例、地元コミュニティの水保全への参画や利害関係者の協力の促進事例を共有する。また、持続可能な水利用や水インフラへの投資を促進するための制度的枠組み、インセンティブなど、革新的な政策・制度改革についても検討する。
共催機関: APWF, 国連ハビタット、アジア開発銀行、国際水管理研究所(IWMI)、グリフィス大学国際水センター(International WaterCentre) 韓国水フォーラム、ウォーター・インテグリティ・ネットワーク(WIN)
プログラム
セッション概要 |
冒頭スピーチ: バスキ・ハディムリヨノ インドネシア政府公共事業・国民住宅大臣 |
プレゼンテーション |
パネルディスカッション・聴講者との質疑応答 |
まとめ |
4 Collaborate to Accelerate: Innovating for future-focused water security.
加速化のための協働:将来に焦点を当てた水の安全保障
- 8月23日 日本時間 ストックホルム時間 15:00-16:00(ストックホルム時間8:00am – 9:00am CEST
- 共催機関:アジア開発銀行,アジア・太平洋水フォーラム, オーストラリア水パートナーシップ, 世界水パートナーシップ, イマジンH2O.
セッション概要
本セッションでは、水分野における未来志向のイノベーションを精査、検証し、成功裏に定着させていくための多様な利害関係者間の協力の重要性について議論する。
アジア・太平洋地域の水セクターは、気候変動の影響、人口の増加やそれに伴う食料やエネルギー生産のための水需要の拡大、将来の感染症の可能性などにより、より複雑化していく、という課題に直面している。 水分野がこうした課題に対処するにはイノベーションが不可欠である。多くの水事業者や管理者は、旧来のシステム、非効率なインフラ、時代遅れの規制に縛られており、それらは急速な都市化や水不足といった増大する圧力により、取り組みの進捗を妨げている。
こうした課題を克服するには、関係者間で新たなアプローチと技術を活用し、新たな未来志向の手法で協力しあっていく必要がある。
本セッションでは、デジタル技術、自然を基盤とした解決策(NBS)、水・衛生・衛生環境(WASH)・下水監視、気候変動下における水資源管理に関する革新的アプローチがアジア・太平洋地域の水セクターのレジリエンスと適応能力の構築にどのように寄与し、現在、及び、今後予想されうる課題にいかに効果的に対処できるか、多様な利害関係者間の協働事例を共有しながら議論を行う。共同イノベーションの原動力、障壁、促進要因を中心に議論する。
プログラム
開会の挨拶/はじめに |
プレゼンテーション1: ADBの協力とパートナーシップ |
プレゼンテーション2: メコン河委員会事務局 (MRCS) 政府間交流: |
プレゼンテーション3: オーストラリア水パートナーシップ (AWP) |
プレゼンテーション4: GWPのIWRMアクションハブとユース・若手水専門家のプラットフォームパートナーシップ |
プレゼンテーション5:イマジンH2O アジア |
パネルディスカッション |
議論のまとめ、閉会の挨拶 |
5.Breaking with Business as Usual: Sanitation Innovations in the Asia-Pacific
旧態依然から抜け出す; アジア太平洋地域における衛生イノベーション
- 8月23日 日本時間16:00-17:30 (ストックホルム時間9:00am-10:30am)
- 共催機関:日本サニテーションコンソーシアム、APWF、ADB、ビル・メリンダゲーツ財団
セッション概要
従来の考えから転換し、衛生面における進捗を加速させるためには、財務、制度、管理、技術等の多様な側面における革新と、都市全体の包括的衛生(CWIS)といった新しいアプローチが必要である。本セッションでは、衛生分野における革新事例を紹介し、アジアと太平洋のさまざまな地域でどのように実施されていくかを示すものである。
従来のアプローチを現在の進捗速度で行っている限り、すべての人に公衆衛生を提供することは今世紀中に達成されず、安全に管理された衛生サービスの実現は程遠いものになってしまう。衛生設備へのアクセスを加速させ、安全かつ徹底的に管理された衛生サービスを提供するには、パラダイムの転換と新しいアプローチが必要になってくる。本セッションでは、CWISの概念を適用した革新的な衛生ソリューションを紹介し、安全に管理された持続可能な衛生サービスの実現を可能にする環境を作り出すためのいくつかの重要な側面に焦点を当てる。
プログラム
はじめに ・現地モデレーターによるセッション紹介: ・開発パートナーからのプレゼンテーション: ・政府機関からのプレゼンテーション: |
パネルディスカッション オンラインモデレーター:Ms. Mitzi Borromeo (Award-winning Broadcast Journalist with CNN Philippines) |
議論のまとめと総論 |
(報告者:チーフマネージャー 朝山由美子)