ニュースレター

2018年11月21日

ニュースレター 4℃ AQUA PROGRAM 気候変動枠組条約締約国会議(COP)

JWF News 11月号 4℃ アクアプログラム 2018年度の活動を開始しました!

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【JWF News Vol. 169】4℃ アクアプログラム 2018年度の活動を開始しました!
2018年11月21日発行

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◇目 次◇

・巻頭言 未来の気象の狂暴化―既存ダムの活用―

・日本水フォーラムからのお知らせ
- 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第24回締約国会議(COP24)での取り組み

・日本水フォーラムからの報告
- 4℃との共同プロジェクト 4℃ アクアプログラム 2018年度の活動を開始しました!

・活動へのご支援・ご協力のお願いについて

・掲示板コーナー

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・巻頭言 未来の気象の狂暴化―既存ダムの活用―
代表理事 竹村公太郎

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気象の狂暴化
10月号の巻頭言では歴史的な気候変動の変遷を述べました。過去を振り返るだけではなく、未来も見通さなければなりません。
理由は何であれ、温暖化は確実に進んでいます。温暖化により気象は狂暴になり、次々と日本列島に襲いかかってきます。

気象の狂暴化とは、今までに経験したことのない異常豪雨と異常渇水を指します。(図―1)の100年間の降雨量データでみるとその傾向が見えてきます。
降雨量の傾向は、多い年と少ない年の変動の幅が大きくなっています。気象の狂暴化とは、豪雨と大渇水が交代で襲ってくることを意味しています。さらに、その頻度と時期が全く予測不可能なところが、気象の狂暴化の特長となります。

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(図―1)

洪水に関する防災計画は、ある定まった予測手法に基づいて行われます。ある定まった予測手法とは、過去の100年オーダーの長期雨量データを基にして、その降雨量実績が将来も繰り返される、という前提に立った予測手法です。
分かり易くいうと、100年に1度の豪雨というのは、過去100年間の観測データを基にして、その中でNo.1の豪雨をいいます。気象の狂暴化というのは、過去100年に1回発生した規模の豪雨が、10年毎、いや極端にいうと2~3年で襲ってくることを意味します。

それは豪雨だけではありません。大渇水も同じことです。
つまり、気象の狂暴化が進行していく将来、過去の実績データを基にして計画し整備したインフラでは、発生する水災害に対しては対応できないのです。

気象の狂暴化に備えての対応策
日本は73年前、第二次世界大戦で全国の国土が焼け野原になりました。その焼け野原の日本を大型台風が次々と襲いました。日本人の命は、毎年千人単位で木の葉のように失われていきました。
建設省河川局(現・国土交通省 水管理・国土保全局)は、明治以来の過去のデータを使って水災害に関する防災計画を策定し、戦後70年間かけてインフラ整備をしてきました。しかし、近年の気象の狂暴化に伴い、その防災計画を見直さなければならないような状況も発生しています。計画の見直しをするだけではなく、実際にそれに即して新しいインフラ整備を実践していかなければなりません。

計画を見直すことはできます。しかし、それを実践していくことは容易ではありません。なにしろ、この70年間で日本の都市は大きく発展し、人口と資産が集中しました。この都市を守るため、都市内部で河川の幅を拡幅して洪水の流下能力を増大させていく工事は困難を極めます。
東京都中央区虎ノ門~新橋間のたった1.4㎞のマッカーサー道路でさえ、計画決定から68年もかかってやっと概成したのを見ればわかります。
都市を洪水から守る方法は、都市郊外で遊水池を造るか、山の中でダムを造って洪水を止める手法があります。都市郊外で遊水池を造る候補地も住宅開発が著しく、山の中で新しいダムを造るのは、費用と社会的状況から容易ではありません。

しかし、ひとつ方法があります。既存ダムの運用変更とダムの嵩上げです。

ダム運用の工夫
台風や豪雨の予測技術は急速に進歩しました。洪水が襲ってくる以前にその情報は得られます。(図―2)は台風進路の予測の事例です。大規模な洪水が来ると予測されれば、ダムの貯水量を事前に下げておけます。ダムの建設を新たにしなくても、洪水を貯め込む容量を運用で増加させます。

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(図―2)

具体的なダム運用の例を述べます。洪水の初期段階で洪水を貯める量を少なくして、ダム下流に放流しておきます。洪水が次第に大きくなってくる段階で、ダムへの洪水流量に応じて貯留量を増加させていき、洪水のピークゾーンを貯め込んでいきます。ダムに流入する洪水がピークを過ぎた段階では、次の台風などが来襲しない限り、ダムは放流量をダム流入量として、貯留した量を貯め続け、洪水被害が発生している下流地域を支えます。この操作は、基本的には現在のダム運用操作です。それをもっと幅を持って行うことなのです。

要は、洪水の初期ではなるべくダムに貯留せず、ダムの空容量を確保する操作を行います。洪水の後期では、次の台風が来ない限りダムに洪水を貯留して、その水を最大限に利用していく操作です。
このような運用により、既存ダムを洪水調節で最大限利用し、かつ、貯水量を発電エネルギーなどで最大限利用できます。

既存ダムの嵩上げ
上述したダム運用は気象予測の精度に基づきます。そのため、効果は限定的です。ところが、新しいダムを造るのと同じ効果がある決定的な方法があります。それは既存ダムの嵩上げです。
(図―3)は、ダム嵩上げの事例です。ダムの上部標高は面積的に大きく広がっています。この夕張シューパロダムの嵩上げの例では、43mの嵩上げで、新たに3億4千万mのダム容量が生まれました。既存ダムの高さ1m当たり容量価値は1.3百万mでしたが、嵩上げ分の1m当たり容量価値は9.2百万mとなっています。

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(図―3)

また、この既存ダムの嵩上げの建設費は圧倒的に低いです。なぜなら、ダム水没に係る補償費は支払い済みです。ダム建設事業費の5分の4は水没補償や、付け替え鉄道、付け替え国道などのダム水没に関連する対策費です。既存ダムの嵩上げは、それが免除されるので工事費は圧倒的に安くなります。
なお、既存ダムの嵩上げはすでに多くの実績があり、嵩上げ技術も確立されています。

既存ダムの嵩上げにより、新たな貯水容量が生まれます。その貯水容量を利用して、洪水を貯め込む治水容量としたり、水力発電のための容量としたり、下流の水道、農業用水などへの補給のための利水容量となります。
狂暴な大洪水、異常な渇水が襲ってきても、この手法で日本国土の安全性は、はるかに向上していきます。
ダムの運用変更、既存ダムの嵩上げは、未来の狂暴化する気象に対して最も素早く対応できる有効な手法です。既存ダムは日本国民の貴重な財産となっていきます。

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・日本水フォーラムからのお知らせ

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- 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第24回締約国会議(COP24)での取り組み

COP24(開催期間:2018年12月2日~14日)は、2020年以降の温室効果ガス排出削減や、気候変動の影響への適応の進め方に関するルールを議論する重要な国際会議です。各国政府等(197カ国)及びオブザーバー機関(国連機関、国際機関、NGO)より約20,000名の参加が見込まれています。
昨年、日本水フォーラムは、COPのオブザーバー機関として承認されました。今回ポーランド(カトヴィツェ)にて開催されるCOP24において、日本水フォーラムは、展示ブースでは、水管理や水利用における気候変動の緩和・適応に関する日本の取り組みを発信すると共に、水に関する気候変動適応策への民間アクターの参画促進をテーマとしたサイドイベントを開催いたします。

〇日本水フォーラム ブース出展
・出展期間: 2018年12月3日(月)~7日(金)
・ブースNo. 145
〇日本水フォーラム主催サイドイベント(共催: NoWNET、NEO-Nepal)
・イベント名: Water and Climate: How to Increase Engagement of Private Actors
・開催日時: 2018年12月4日(火)15:00~16:30
・会場: Room “Bieszczady”

▼COP24公式サイト▼
http://cop24.gov.pl/

(報告者:副ディレクター 浅井重範)

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・日本水フォーラムからの報告

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- 4℃ 4℃との共同プロジェクト 4℃ アクアプログラム 2018年度の活動を開始しました!

4℃ アクアプログラムは、水と深い関わりと共感を持つ『4℃』と、日本水フォーラムとの共同プロジェクトとして2008(平成20)年に設立されました。水に関連する問題を抱える女性たちを支援することを目的に、これまでキリバス共和国、スリランカ、バングラデシュで活動を実施しています。
2018年度の活動では、バングラデシュ、クルナ管区、バゲルハート県の農村において、40世帯を対象に雨水貯留システムの設置と維持管理に関するトレーニング、女性に対する啓発活動を実施します。

▼詳しくはこちら▼
http://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/yondoshi/2018/1022/?p=10180?tag=jp,rep_jp

(報告者:マネージャー 石原小枝、郡司晃江)

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・活動へのご支援・ご協力のお願い

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日本水フォーラムは、皆様の会費及び寄付等によって国内外の水問題解決に向けた活動を行っております。
日本水フォーラムの活動を支援していただける会員を募集しております。
水問題解決に向けた持続可能な取組みを行うために、皆様の温かいご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。

▼会員募集の詳細はこちら▼
http://www.waterforum.jp/jp/get_involved/

日本水フォーラムは、国内外の水問題解決に向けて分野問わず幅広い方々と協働で活動を展開しています。
日本水フォーラムの活動にご協力いただける方、ご興味のある方は以下よりお問い合わせください。

▼問い合わせ先はこちら▼
TEL: 03-5645-8040
E-mail: news[at]waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。

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・掲示板コーナー

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【第11回水道技術国際シンポジウム】
主催:第11回水道技術国際シンポジウム実行委員会
日時:2019年7月9日(火)~11日(木)
場所:パシフィコ横浜 会議センター
https://water2019.jp

※免責事項:日本水フォーラムは、掲示板の掲載情報に関して責任を負いかねます。
掲載情報へのお問い合わせは各主催者へお願いいたします。

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▼過去のJWF Newsはこちら▼
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※掲示板への掲載希望、新規配信希望、配信停止・変更などは、下記アドレスまで

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JWF News Vol.169 平成30年11月21日発行
特定非営利活動法人日本水フォーラム
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町5-4 アライズ第2ビル6階
TEL: 03-5645-8040 FAX: 03-5645-8041
E-mail: news[at]waterforum.jp URL: http://www.waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。

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