The 3rd World Water Forum
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フォーラム声明文

《仮訳》正文は英語です。

前文

淡水は、持続可能な開発、経済成長、社会の安定および貧困緩和にとってきわめて重要な、限りある貴重な資源である。2000年にハーグで開催された第2回世界水フォーラムの閣僚宣言では、基本的な水のニーズへの対応、食料供給の確保、生態系の保護、水資源の共有、危機管理、水の価値の確立、ならびに賢明な水の統治が、今後対処すべき主要な課題として特定された。

2003年3月16日から23日にかけて京都、滋賀、大阪で開催された第3回世界水フォーラムには、世界各国から24,000人以上が参加した。参加者は、世界規模の課題を解決し、ニューヨークでの国連ミレニアム・サミット(2000年)、ボンでの国際淡水会議(2001年)およびヨハネスブルグでの持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)において定められた目標を達成するために必要となる行動について議論を行った。

この声明文は、第3回世界水フォーラムの中で議論された課題、発表された行動、そして示された約束と勧告を概説するものである。フォーラムでは33のテーマ および世界5地域に関し、351の分科会が開かれた。これら分科会で挙げられた点をすべてここに示すことはできないが、フォーラムの成果に関するより詳細な概要については、テーマおよび地域の声明文および分科会レポートをご覧いただきたい。これらは、フォーラムのウェブサイト(http://www.world.water-forum3.com)に掲載されている。

主要な課題

充分な水の供給保健および衛生設備の改善に対する人間の要求が増大する中、そのようなニーズと食料生産、交通エネルギーおよび環境のニーズとのバランスを図るという課題に取り組むためには、ガバナンスの効率化、能力開発および充分な資金調達が、大半の国にとって必要となるだろう。すなわち、このような目標を達成するには、コミュニティ・レベルでの一般市民の参加が重要となる。水に対する我々共通の基本的要件は、協力と平和のための機会が必要なことである。

すべての人に安全で衛生的な水を
科学技術の進展による水の利用の効率化と先進的需要管理の改善が不可欠である。しかしながら、大半の開発途上地域およびとりわけ都市では水の需要が増大しており、このような現状に対処するには、それだけでは充分とは言えないだろう。影響を受ける人々も皆便益を受けることを確保した上で、雨水利用や地下水の涵養、ダムの利用による貯水の増大を含め、利用可能な水供給を増加させるためのあらゆる選択肢を検討することが必要である。世界ダム委員会の勧告(2000年)を参考にすることができる。過去に経験したような環境コストや社会コスト、リスクを避けるためには、優れた実践事例を幅広く採用することが求められる。

過度の資源開発、無規制の都市および産業の廃棄物、産業汚染農業集約化、地球気候の変動は、地表水や帯水層の広範に及ぶ水質悪化を引き起こしてきた。これらの要因は、洪水をはじめとする災害に対する脆弱性の増大と相まって、社会および経済の発展、貧困緩和および環境の持続可能性を阻む結果となる。

ガバナンス(統治)
多くの国は、水の危機よりはむしろガバナンスの危機に直面している。良好な水のガバナンスを実現するためには、統合的水管理(IWRM)の手法を採用した効果的かつ説明責任を伴う社会政治システムおよび行政システムが必要である。この統合的水管理手法とは、生態系および人間のニーズに対処するための透明性のある参加型プロセスを有するものである。すべての人に安全な水の供給と衛生設備を確保するという原則を認識した分野別戦略および計画を採択し、あらゆる利用可能な資源の選択肢を活用する政策を実施することによって水を優先事項のひとつに据える主たる責任は、各国政府にある。

能力開発
水管理の有効性を高めるためには、能力開発教育ならびに情報へのアクセスが必要なことは、明白である。水開発プロセスの中でもきわめて重要なこれら要素は、さまざまなプログラムの付け足しとして扱われることが多く、地元の能力開発制度、ジェンダーの主流化(ジェンダーの視点を中核に据えること)、文化多様性および伝統的知見、あるいは長期的なコミットメントに対して充分な配慮がなされていない。

資金調達
水分野のための資金調達基盤は、開発途上国の公的セクターからのものが中心であり、外国からの援助、国際金融機関の貸付、民間融資および個人株式によって補完されている。水の安全保障、開発および貧困緩和の間には関連性があるにもかかわらず、水資源管理に対する総合的な投資は、著しく軽視されている。「世界水ビジョン」および他の試算によれば、開発途上諸国および経済が移行期にある諸国が今後25年にわたり地球規模での水の安全を確保するには、年間にして1,800億ドルが必要といわれている。このためには、効率化と財務管理の改善が必要となろう。公的機関、援助国、および/または民間からの(国内外からの)資金供与を融合するためのいくつかのモデルが試され、結果はさまざまである。官民のパートナーシップに関する議論は、まとまらなかった。

参加
多くの地域、国および地元コミュニティが、水問題は多数のステークホルダーの課題であり、すべての利害関係者および影響を受ける当事者のパートナーシップこそ、IWRMを実践するためのきわめて重要なメカニズムであることを認識し始めてきた。企業のCEO(最高経営責任者)、ユニオン、先住民、水ジャーナリスト、国会議員、ユース子どもを含む主要なグループは、いずれも、それぞれの考え方があり、意見を採り入れられる権利を有するに値する。とはいえ、社会の多くの層、とりわけ女性と貧困者には、発言権が与えられていない。包括性を確保するために、人種、民族、経済的地位、年齢、宗教に基づく参加を綿密に検討することが必要である。

地域の課題
上記に概説した課題の大半は地球規模のものであるが、一部は一定の地域においてとりわけ重要性の高いものである。アジア太平洋は、水需要と人口が増大する中で重大な水問題を抱えている。アフリカは、貧困の蔓延により、低開発、紛争、困窮の悪循環に陥っている。アメリカ諸国では、水関連プロジェクトの大型投資、マクロ経済改革が進められているにもかかわらず、持続可能な経済成長は促進されないままになっている。中東/地中海では、減少する一方の水資源が人々の暮らし、環境および経済成長を危機的状況に追いやっている。そしてヨーロッパの水資源は、比較的高い人口密度、活発な産業活動、集約的農業生産によって、多大な圧力にさらされている。

行動

第2回世界水フォーラム(2000年)より、世界の水危機への取り組みとして数多くの行動が実施されている。国際および地域レベルでは、意識の向上、情報共有、パートナーシップの構築などに焦点を当てた活動が実施されてきた。また、地元レベルでは、地域コミュニティーや小規模な流域に影響を与える水問題により特化した行動が実施されてきた。フォーラムで報告された数多くの行動のうちいくつかを以下に示す。

世界規模の意識啓発と政治的支持の確立
ハビタット・アジェンダ(1996年)、ミレニアム・サミット(2000年)および持続可能な開発に関する世界首脳会議(2002年)は、開発における水の重要性を強調し、優先されるべき行動の目標を定めた。水に対する人権については、国連の経済社会文化に関する権利委員会の一般コメント(2002年)に定義されている。

ガバナンスは、水社会においては充分に確立されてきており、40以上の国が新たな水関連法を制定しており、あるいはその過程にある。ボン会議およびヨハネスブルクでの世界首脳会議は、水のガバナンスの課題について政治的認識を高めるのに役立ち、(官、民および市民社会のステークホルダーが関与する)数多くのパートナーシップが構築され、また強化された。大陸に関してみれば、アフリカ水閣僚会議(AMCOW)およびアフリカ水タスクフォース(AWTF)が、健全な政策の策定を指導し、水のさまざまな取り組みの調整を図り、アフリカ水ビジョンおよび行動の枠組みに基づきNEPAD(アフリカ開発のための新しいパートナーシップ)水アジェンダを策定するために創設された。アフリカ水基金は、アフリカにおける能力開発と投資支援のためのプールファンドの窓口としての役割を果たすであろう。米州諸国でも、大陸全域にわたる同様の協調・調整が米州機構・米州水資源ネットワーク(OAS-IWRN)によってなされる。

30カ国以上において、水のガバナンスに関する対話が行われた。また、多数の国において、水資源の開発と管理に関する新たな国家政策、戦略および法律の策定が進められており、その多くがIWRMの理念に従ったものである。これは、多くの場合、河川や湖沼の流域組織を含めた組織的枠組みの再編、ならびにコミュニティや水利用者団体の強化を促した。

また最近では、数多くの越境河川(ガンジス、インコマティ、セネガル、プング・ブジ・サヴェ、サーバ、チュ・タラス)および湖沼(ビクトリア、マラウイ/ニアサ/ニヤサ)に関して合意が達せられ、広域の地域協定が流域協力をさらに押し進めている(SADC(南部アフリカ開発共同体)水協定、EU水枠組み指令)。これらをはじめその他長年にわたる機構は、いかにして水が紛争ではなく平和の源としての役割を果たしうるのかを例示するものである。国際社会は、たとえばナイル流域イニシアティブやヌビア砂岩帯水層地域戦略など、世界で最も重要な流域のいくつかにおいて、財政援助を行い、専門知識や技術を提供して、協力の推進に努めている。しかしながら、水に関連する長年の紛争は数多くが未解決のままとなっており、限りある淡水資源の需要は増大する一方で、将来紛争が勃発する危険性は高まるばかりである。

国連、水供給衛生協調会議(WSSCC)およびいくつかのステークホルダーが、共同監視プログラムを通じて、安全な飲料水の供給と衛生設備の整備を必要としている人々の数の監視をすでに始めている。

架け橋を築く
水、食料と環境に関する対話や、CGIAR(国際農業研究協議グループ)の水と食料に関するチャレンジ・プログラムなどのプログラムは、食料セクターと環境セクター間の隔たりを結び、環境的に持続可能で社会的に受け入れられるような形で食料と生活のための水の生産性を増大するためのメカニズムを開発すべく、設けられたものである。

また、水と気候に関する対話や洪水に関する連携プログラムは、水管理者、気象学者、水文学者、災害管理機関の間の隔たりを埋めるとともに、気候変動や増大する気象上の危険への適切な適応の必要性について水関連政策の立案者、水管理者ならびに一般社会の意識向上を図るのに貢献している。

国連環境計画(UNEP)のダム開発プロジェクトは、ダムおよびその代替案に関わる意思決定、計画、管理の向上を目的とし、世界、地域、および国レベルでの一連のマルチステークホルダー・プロセスを通じて政府、市民社会および産業を結集している。

地下水の持続可能性は、水に関する主要な課題のひとつである。地下水管理諮問チームや越境帯水層資源管理などのプログラムは、このような資源についての理解を深めるとともに、資源を管理するための地元の取り組みを支援するものである。

フォーラムでは洪水、渇水、能力開発、水管理者の研修プログラムなどに関していくつものネットワークが築かれ、フォーラム自体が橋渡しのきっかけを提供した。

地元における行動
たとえば流域保護などを通じて生態系の活動を保護しながら環境汚染を防止するという社会目標を達成する取り組みが、世界中で、ますます数多く手がけられている。これらの行動は、その大半が地元レベルで行われているが、より広い規模で適用されるべきものである。

また、災害に対する準備や気候の変動(および変化)への適応に関する地元および地域レベルでの取り組みも、いくつか着手されているが、しかしそのような活動に対する資金供与はきわめて限られており、そのような取り組みの勧告を国家政策にまで位置付けるのは、まだこれからのことである。

開発途上諸国および経済が移行期にある諸国が水セクターのあらゆる関連分野に投じる資金総額は、年間800億ドルと推定されている。前述のように、ミレニアム開発目標を達成するためには、その2倍以上の資金が必要とされるだろう。積立保険金や地方債は、地方自治体やコミュニティが資金調達の機会を得る手段としてますます利用されている。

さまざまな協議プロセスに関与するステークホルダーの数が増大し続けている。コミュニティ・レベルにおけるジェンダーに配慮した参加型プロセスは成果を上げており、一部諸国ではジェンダーの視点を組み込んだ政策を整備して、そのようなプロセスを支援している。しかし、一般的には、総体的な参加型意思決定プロセスは、曖昧で、長時間を要するものとなっており、決定が遅れたあり、あるいは取り消されることもしばしばである。統合的水資源管理(IWRM)に関する教育をすべてのステークホルダーが受けられるようにすることが、今後とも必要である。小中学校における水に関する教育をさらに重視し、より高度なレベルの水セクター教育および訓練をIWRM指向とするよう方向転換を図ることが必要である。

コミットメント

フォーラムで示されたコミットメントのうち、フォーラム後に再確認されたものはすでに100件以上にのぼり、確認作業の終了時にはその数が倍増することが予想される。これらの大半はテーマ別および地域別の声明に詳述されており、他は分科会レポートに報告されている。主なコミットメントをいくつか以下に示す。

地球レベル

  • 健全な水管理の利点は、健康、エネルギー、生物多様性、生産性、社会経済開発および貧困緩和を含むWEHAB(水、エネルギー、保健、農業、生物多様性の頭文字をとった総称)の枠組みに関連させて考えると、より明確なものとなる。多岐にわたる水管理の利点を認識することによって、各国政府は、国家の政策課題の中で水をさらに優先的な課題として取り上げ、予算配分も優先的に行うようになるだろう。世界水会議は、健全な水管理がもたらす便益を正確に見極めて強調し、水セクターの優先事項の設定、計画立案、開発、管理および予算編成に当たってそれらが検討されるよう図るために各国政府に適切なツールと分析を提供することを目的とするプログラムを、国際金融機関、国連機関、国際的なNGOおよび研究機関と連合して、開発し、実施することを約束する。
  • 国連教育科学文化機関(ユネスコ)と世界水会議は、要求があり次第経験豊かな技術アドバイザー、ツール、トレーニング・セッション、仲介者の援助が得られるように図ることによって、越境水域に関連した問題の解決を支援する容易に利用できる独立した機関の設置と運用を促進、支援することを約束する。
  • 国連人間居住計画(UN-HABITAT)は、貧困者に裨益する投資を確保、管理するアジアの都市の能力を開発し、ならびに2015年までに安全な飲料水の充分な供給を受けられない人および基本的な衛生設備が整備されていない人の割合を半減するというミレニアム開発目標(MDG)を達成するのを助けるためのプログラムを創設する旨の覚書をアジア開発銀行(ADB)と締結した。プログラムは、最初の2段階に対するADBおよびUN-HABITATからの無償供与である1,000万米ドルと、アジア全域の都市における水・衛生関連プロジェクトを対象に今後5年間にわたるADBからの融資5億米ドルの二本立てとなる。また、アジアの都市の水への追加資金供与が、オランダ政府からUN-HABITATに対してなされた。
  • パートナーである国際機関および研究機関(WWC、UENSCO-IHE、FAO、PIK、IFPRI、IWMIおよびSOAS)は、バーチャル・ウォーター(仮想水)の概念、その適用およびその影響についての理解を増進し、また、各国が節水を促進する有効な方法としてバーチャル・ウォーターの売買を意識的に活用し、それを政府の水、食料および環境に関する国家および地域政策の不可欠な一部にするよう各国政府に情報とツールを提供するために、引き続き努力し、財政支援を求めてロビー活動を行うことを約束する。
  • 水と気候に関する国際対話を支持する広範にわたる組織(GWP、NRC、FAO、WWC、IWA、WMO、UNEP、IUCN、UNESCO、UNDP、WBおよびISDR)の連合は、引き続き気候セクターと水セクターとの間の橋渡しを行い、気候変動の影響により適切に対処するための活動を推進することを約束する。これらの組織は、水と気候に関するプログラムを通して地域および地元パートナー機関とともに活動を行う「国際水・気候連合(International Water and Climate Alliance)」を結成するものとする。

  • 国連開発計画(UNDP)は、地元コミュニティの水および衛生に関する諸問題を解決する能力の向上を目指したコミュニティ水イニシアティブに取り組む。これは、革新的な取り組みを行うコミュニティに対し、水および衛生に関わる危機への解決策を改善し、展開するための少額の無償援助を供与することを目的とするものである。コミュニティ水イニシアティブの2003−2008年の目標予算額は概算で5,000万ドルとなっている。
  • 先住民京都水宣言を通じて、第3回世界水フォーラムの先住民参加者は、水問題に関するネットワークを結成することを約束する。これは、先住民一般の発言権を強化し、水の権利を守るために闘う地元コミュニティの立場の強化に役立つであろう。
  • 水衛生プログラム(世界銀行)は、ミレニアム開発目標の達成状況を監視する各国の能力開発プロジェクトに対する資金供与に取り組む。資金供与を希望する国の申請を歓迎する。
  • 水衛生協調会議(WSSCC)およびパートナー機関は、2003年ならびにその後3年間で、多くの開発途上国において、すべての人に安全な水を供給し、衛生設備を整備して、衛生状態を改善するための『WASH(Water, Sanitation and Hygiene for All)』キャンペーンを立ち上げる。これらキャンペーンには、すべての小学校で水および衛生に関する教育サービスを提供することを目的とした『WASH in School』イニシアティブ(WSSCC、ユニセフ)も含まれる。また、WSSCCは水、衛生設備、衛生状態に関する『ピープルズ・レポート』を定期的に刊行することを約束する。レポートの初版は2003年12月にセネガルのダカールで行われる第1回WASHグローバル・フォーラムの開催時に刊行される。
  • プライスウォーターハウスクーパーズ、国連水関連機関調整委員会(UN Water)およびケア・インターナショナル(国際ケア機構)は、ミレニアム開発目標に実質的な貢献を果たすために地球水イニシアティブに取り組む。最初の取り組みとして、フランス政府の支援を得て、アフリカにおいてパイロット・プロジェクトをまもなく開始する予定で、2003年末までに結果を出す計画である。
  • 日本の国土交通省は、国際レベルで洪水の被害を緩和するために第3回世界水フォーラムにおいて発足された国際洪水ネットワーク(IFNet)の創設を支援している。IFNetは、全世界を網羅する降雨マップを3時間ごとに作成する能力を有する「グローバル洪水警告システム」プロジェクトを発足することを約束する。これにより、世界における洪水警告は、大幅に改善され、最大48億人に恩恵をもたらすものと期待される。

地域レベル

  • 米州地域において活動を行う国際機関(IADB、OAS、ECLAC、IUCN、SICA、IWRN、CAN、LANBOおよびGWP)は、以下の問題について解決策を見つけ、協議することを約束する:(a)効率的で公平な水の配分のための規則を含め、政策の策定、(b)水資源管理に必要とされる資金のニーズへの対応、(c)国際貿易協定が国の水の公益に及ぼす影響、(d)効果的な分権化、水のガバナンス、サービスの管理と規制のための能力開発、(e)参加型の効率的危機管理、(f)初の持続可能な水管理のための世界農業助成金の影響。
  • オーストラリアは、現会計年度において、アジア太平洋諸国を中心に、水関連活動に対し、8,000万オーストラリアドル以上を充当している。
  • カリブおよび太平洋地域の組織(カリブ環境衛生研究所(CEHI)と南太平洋応用地球科学委員会SOPAC)は、行動共同プログラム(Joint Programme for Action)(加盟37カ国)を実施するための覚書に調印した。これは、淡水環境、能力開発、データおよび情報の管理、応用研究、専門知識・技術の共有などの事項に関する協力を提供するものである。
  • オランダは、アフリカに対する支援を強化し、国家計画の策定において10カ国を支援する。さらに、オランダは、アフリカ水基金の支援も約束する。
  • 欧州委員会はパートナー機関とともに、『ウォーター・フォー・ライフ(命のための水)』イニシアティブ(EU水政策イニシアティブ)を通して、安全な飲み水と衛生ならびに統合的水資源管理(IWRM)に関するWSSDの目標の実施を促進することを約束する。そのため、協力体制を強化し、水セクターへの資金ならびに開発援助を増加する。また、水を優先的事項と見なし、主要な要素としてパートナー諸国の持続可能な開発のための国家戦略(NSDD)および貧困削減戦略ペーパー(PRSP)に組み込む上で支援を行う。
  • メコン河委員会(MRC)は、カンボジア、ラオス、タイおよびベトナム各国政府とともに、パートナーと協力して、2003年末までに航行戦略およびプログラムを策定する。戦略の長期的目的は、メコン河での持続可能な安全で効率的航行を促進し、MRC加盟諸国の相互利益のために貿易の機会を増大することにある。
  • 太平洋地域行動計画は現在18の太平洋諸国によって承認されており、国家レベルでの水セクターによる行動の展開、そして水文学、水損失の軽減、統治ならびに認識の向上などの重要な課題に対して援助の焦点を向けることに対する約束が含まれている。

国および流域レベル

  • ブラジルは、現在まだ開発中の「ゼロ・サースト(のどの渇きに苦しむ人をなくす」プログラムを主な対象とするジェンダーと水連合との協力を歓迎し、ジェンダーの主流化を図る政策を約束する。
  • 日本の国土交通省河川局は、コミュニティおよび都市の活性化に寄与する内陸水運(IWT)活動を支援し、地震をはじめとする災害に迅速に対応できるシステムを確立するものとする。同局はまた、開発途上諸国に技術援助および能力強化支援を供与するものとする。
  • ケニア雨水協会は、ケニア西部のニャンド河川流域における「雨水利用によるニャンド流域食料安全保障支援プロジェクト」という事業を開始することを約束する。これは、コミュニティ主導の事業で、年間2000世帯ならびにHIV/AIDS患者と孤児300人を対象に、水タンクおよびエコロジカル・サニテーション設備の供給、EMの導入、土壌肥沃化や植林を中心とした環境保護を行う。
提言

第3回世界水フォーラムの参加者は、水社会としての我々の目標と責任を遂行達成するコミットメントとして、以下の行動をとることを勧告する。

  1. 協調、パートナーシップ、ネットワーク作り、参加、そして対話
    各国政府、市民社会および産業界は、自分たちの長所と技能と他者の長所と技能とを結合して、協働する方法を引き続き開発し、政策提言や情報共有あるいは教育を通じて社会における責任ある水の利用という新たな倫理を創造する。これは、各国政府が水セクターのための戦略および優先事項を明確に打ち出し、それに従って計画を立案して、初めて成功しうるものである。援助国、NGO、国際金融機関(IFI)、企業なども援助するが、必須条件として、被援助国政府の真の政治的「オーナーシップ(主体性)」が不可欠である。

    流域および帯水層の戦略、協定ならびに制度の策定には、地元の人々、当局、研究機関、農民、産業界、女性ならびに少数民族が、全面的に関与する。ステークホルダーの代表ならびに地元当局には、意思決定および実施において果たすべき恒久的かつ正式な役割を与える。あらゆる文化的文脈におけるコミュニティの水に関連した知識、実践および権利、ならびにそれらの貢献を認めて、水管理および環境に対する受託責任によく統合する。民間企業は、地元企業から国際企業まで、提携や能力開発に対する支援によって、ミレニアム開発目標(MDG)の達成に貢献する。

    各国政府、産業、農業および一般市民は、既存の環境汚染を根絶し、経済開発の結果汚染が進行することがないように図ることに貢献する。

  2. 自然および生態系
    生態系の保護がなされる中、社会的目標も達成されている事例はますます増えている。このような行動は、さらに広範囲にわたり実施されるべきである。
    • 水サービスのための生態系および帯水層の保護・回復
    • 下流の生態系および利用者のための環境フローの実施
    • 統合的行動に向けたマルチステークホルダーの手法の開発
    • 土地、山脈、森林および水資源の統合的適応管理
    • 流域の汚染防止と汚染処理計画
    • 環境サービスへの支払いを含む、環境保護のための革新的資金調達と法的枠組み
    • 水需要管理
  3. 資金調達および投資
    各国政府は、水に関する法律、戦略および計画を、すべてのWEHAB分野における水に関連した実際的な予算の概算要求や財務計画に盛り込む。各国政府および地元当局は、投資を奨励するために必要なこととして、リスクを削減し、コスト回収を改善するための適切な施策をとる。かかる投資の第一義的な責任は、中央政府にある。援助国は、水のための援助を増大するという公約を守る。

    国際機関ならびに多国間および二国間援助機関は、支援の配分に当たっては、すべての水関連セクターについて水問題を統合・調整するための戦略の策定を進めており、適切な計画立案に基づいて投資の増大を図っている諸国を優先する。各国政府および援助国は、投資戦略において、貧困者に裨益し、手頃な費用で利用しうる適切な技術およびアプローチに特に注意を払う。各国政府、援助国および民間セクターは、手頃な費用で貧困者に水を供給するインフラストラクチャを開発・管理する上で地元の水管理者が利用することのできる各種公的金融商品を開発するものとする。

  4. 政策および戦略的計画立案
    各国政府および地元当局は、水は開発および貧困削減にとって不可欠なものであることを認め、よって、あらゆる開発のアジェンダにおいて水を優先する。水および優れた水管理の便益を数量化して、水セクターの優先事項の設定、計画立案、開発、管理および予算編成に当たってそれらが検討されるように図る。

    各国政府は、すべてのWEHAB分野に関する戦略およびマスタープランにおいて水を中核に据え、WSSD実施計画に従い、2005年までに統合的水資源管理(IWRM)計画を準備することを約束する。

    中央および地方政府は、流域機関、産業および地元コミュニティと協力して、流域全域における汚染処理および防止計画を策定・実施し、流域および沿岸全域に及ぶパートナーシップを推進し、汚染防止のための財務、法律および制度上のインセンティブを設ける。中央および地方政府は、また、包括的および統合的な洪水・渇水管理政策を策定し、気候の変動やあらゆる自然災害の増大をもたらす影響を緩和するための戦略を採択する。計画は、ステークホルダーの参加を得て、貧困削減戦略に関連し、また、第一に選択すべき戦略として利用者とコミュニティに基盤を置いた水需要管理を採用して、立案する。各国政府は、その計画立案において、とりわけ環境保護と資源保全に注視し、土地と水資源の管理を統合した生態系アプローチを水管理に対して実施する。このような生態系アプローチを可能にする重要な選択肢として、バーチャル・ウォーターの売買について検討する。

    各国政府は、世界における農業の水使用量の全体に対するシェアが2000年のレベルを超えて増大することなく、栄養不良と農村の貧困を削減するための目標を達成するために、生産的な水利用、すなわち食料生産の増大のための水の適切な目標を検討する。これに関連して、国際機関は、基準を設定してこれらの目標に向けての進捗状況を監視し、一連の世界水フォーラムに関連する閣僚会議に報告を行う。

  5. 組織制度および法律
    各国政府は、公営事業と民営事業のパートナーシップや、小規模な水道事業のオペレーター間のパートナーシップなど、官民の協力、提携、民間のノウハウ、その他選択可能な手段を活用して、公的水機関の改革を開始もしくは継続する。各国政府は、ステークホルダーの参加や官民のパートナーシップを増進することによりコスト効率、透明性およびアカウンタビリティ(説明責任)を確保して、水管理およびサービスの提供において良いガバナンスを促進する。援助コミュニティは、よりよい水ガバナンス・システムの確立のために供与する資金の割合を増大するべきである。法律を実施し、効率的な公的機関のための行政能力を開発するのを助ける賢明な社会経済政策を遂行している諸国に対し、更なる支援を送るべきである。

    各国政府、援助国およびNGOは、新しい組織の文脈の中で分権化された機関の能力開発に注視して、それらの機関が、地元オペレーター、水利用者社会、コミュニティおよび家庭とともに、人およびサービス志向の参加型アプローチで効果的に活動を行うことができるように図る。中央の機関についても、新たな役割や責任を果たすことができるように、変革を行うことが必要である。

  6. データの収集および共有
    時宜を得た信頼できる水文学および気象学的関連情報にアクセスできることは、よりよい資源管理、計画立案および意思決定にとって不可欠であることを認識し、各国政府および国際機関は、データのモニタリングおよび普及を推進するための能力を開発する。このような情報は、洪水および災害管理にとってとりわけ必要であり、とくに国境をまたぐ流域においては、関連のあるすべてのステークホルダーに無償で開示されなければならない。「知識は力」という考えでデータや情報を公開せずに保留してきた機関、省庁および政府に対しては、政策の再考を促さなければならない。
  7. 現在の国際情勢をふまえた特別な配慮
    3月20日、イラクへの軍事行動が開始された。戦争は大変不幸で望ましいものではないが、現実となってしまった。難民および国内避難民が身の安全を保証され、水、衛生、食料にアクセスできるよう全力を尽くすことの必要性がフォーラム参加者より強調された。また、武力紛争中の水関連施設の保護、ならびにその後の復旧問題に対し、閣僚級国際会議において特別の注意が払われることを求め、閣僚級会議の議長サマリーでは、イラクの水に関する復興支援の必要性がハイライトされた。
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