The 3rd World Water Forum
Final Report
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第3回世界水フォーラムを終えて
 第3回世界水フォーラム事務局長
尾田 栄章
 共同ステートメント
世界水会議副会長
ウィリアム・J・コスグローブ
 フォーラム日記
2003年3月15日
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 第3回世界水フォーラム事務局長
尾田 栄章


謝辞

第3回世界水フォーラム事務局を代表して皆様にご挨拶できることを大変嬉しく思います。

第3回世界水フォーラムは無事終了いたしました。この機会に、我々が琵琶湖・淀川流域の京都、滋賀、大阪で8日間にわたって繰り広げた議論、そしてその準備のために費やした3年間を振り返ってみたいと思います。そうすると、世界が抱える水危機の状況と何故このフォーラムを開かなければならなかったのか、その開催の意義を再認識することができるはずです。

  • 世界の約11億人は安全な水を飲むことができません。約24億人は下水道施設を持っていません。
  • 不衛生な水のため8秒ごとに子どもが一人亡くなっています。
  • 地球上の水は97.5%が海水です。淡水は2.5%しかありません。さらに、南極北極の氷や蒸発する水は使えませんから人間が使うことができる水は1パーセントもないのです。
  • 世界の多くの女性および子どもたちは毎日水汲みに数時間をかけなければならず、これを足し合わせると、1000万人年以上の時間が一年間で費やされています。
  • 開発途上国の下水は、その90〜95%は処理されずに身近な川などに直接流され、自然の水環境を汚染しています。

世界の水状況は、数字で表すと今お話ししたようになります。しかし数字は必ずしも実態を切実には教えてくれません。私自身、世界中から水フォーラムに集まった参加者と直接話をすることによって、世界の水事情について具体的に多くのことを学ぶことができました。多くの参加者も同じように感じられたはずです。これも第3回世界水フォーラムが果たした大事な効用だったと思います。

第3回世界水フォーラムでは、世界から提案された351の分科会を、相互に関連する38の主要テーマ(メジャーグループ、地域の日、特別なプログラム)に分類した上で、幅広い突っ込んだ議論が展開されました。参加者の熱意により、フォーラム期間中に示された水問題解決に向けた具体的な行動および約束は500を超えました。そのうち、解決に向けて現在実行されている行動、そして世界・地域・国レベルでの新たな約束、また政府・産業界・市民社会が今後実行しようとする行動が、参加者自身によってフォーラム声明文にまとめられました。フォーラム後に世界水行動目録に追加された新たな行動、具体的な約束は、120を超えました。その全てが、この最終報告書に盛り込まれています。

フォーラム会期中にイラクに対する武力行使が開始され、緊迫した国際情勢になりました。それにも関わらず、すべての分科会が予定通り開催されました。また閣僚級国際会議のために来日していたほとんどの閣僚もフォーラムに留まりました。イラク攻撃をきっかけに、より良い水管理のためには何よりも平和が大事だということで会場の内外でデモンストレーションが行なわれました。しかしそれが会議の進行を妨げることはありませんでした。参加者の良識に敬意を表したいと思います。

第3回世界水フォーラムまでの長い3年間の道のりの中で、水に対する政治的な関心は世界中で飛躍的に高まり、数多くの政治的課題の中でも最優先事項になってきました。フォーラム終了後に開催されたエビアンでのG8サミットでは、フォーラムの成果に基づいて、水問題の解決へ向けた「水−G8行動計画」が発表されました。それも単なる一つの事例に過ぎないと言えるほどに広まってきたようです。 しかしフォーラムが本当の意味で成功したかどうかは、フォーラムで示された約束や新たなパートナーシップが実行されるかどうかに依ります。フォーラムに関わった人々、参加した人達、そんな私たちが、これからどんな具体的な行動を取れるかに懸かっているのです。

3年前に第3回世界水フォーラムの準備活動を開始した当時、事務局員の半数は外国人にしたいと考えていました。最終的には外国人スタッフは全体の10分の1にも満たない3名だけでしたが、それでも事務局の活動を海外にたいして開かれたものにするのに大いに貢献してくれました。それだけではなく、別の視点で見る人が身近に居ることによって、事務局の活動自体が多様化したと思います。事務局の会議は何時も英語混じりでした。それだけでも刺激的だったようです。

フォーラムの準備活動にできるだけ多くの人々に参加してもらうため、新しい仕組みを考えました。現場からの声を活かしたい、現場の声でフォーラムを創り上げたいとの思いで、「ヴァーチャルフォーラム」と「水の声プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトには世界中から多くの人々が活発に参加し、期待通りの成果をあげることができたと確信しています。

フォーラム会期中は、フォーラム参加者が主役です。事務局員は舞台裏での黒子役に徹しようと決めていました。私にも分科会等への参加の要請を数多く頂きましたが、この趣旨に従いお断りしておりました。そんな中、水道民営化反対のデモで、「水施設のための資金調達パネル」の分科会が一時中断された時に、たまたまその部屋の前を通りかかり、ステージに上らざるを得ない事態に立ち至りました。「このフォーラムはすべての人々に開かれたものです。賛成派の人も反対派の人もそれぞれに話すチャンスが与えられる会議なのですから、議論を続けましょう」と呼びかけました。予想外のハプニングで中断されましたが、何とか再開に持ち込むことが出来ました。私にとっては分科会に参加する唯一の機会となりました。誰に感謝を申し上げればよいのでしょうか?

第3回世界水フォーラム事務局は今年度中にはその役目 を終えます。しかし第3回世界水フォーラム事務局の後を引き継ぐ形で『日本水フォーラム(仮称)』が立ち上がる予定です。“南への協力を目指しての北・北連携”などの新たなパートナーシップの確立を目指して活動が展開されるはずです。これに対しては、国内外から 強い期待が表明されています。そしてこの新たな組織には、第3回世界水フォーラムで示された行動や約束の実行を目指す全ての組織との連携が期待されています。

フォーラムに参加してくださった皆様、そしてフォーラムの開催準備に携わってくださった皆様、特に開催地の京都、滋賀、大阪の人々に心より御礼申し上げます。そして、開発途上国から参加者を招くにあたり、財政 面で援助してくださったすべての支援機関にも心より 感謝いたします。皆様との協力があったからこそ、 我々の目指した「特別なフォーラム」を実現し、成功 に収めることができたのです。 本当にありがとうございました。