最終更新日: 2014年2月28日

GOODプロジェクト〜世界のすべての人にトイレのあるくらしを〜「世界を変えるトイレ賞」発表!

APEX「アジア地域に適合的な住民参加型コミュニティ排水処理システムの開発と普及」

世界を変えるトイレ大賞は、NPO法人APEXの
「アジア地域に適合的な住民参加型コミュニティ排水処理システムの開発と普及」に決定!

「GOOD プロジェクト選考」には日本を代表するような数々の素晴らしい取組みにご応募いただき、14のプロジェクトがノミネートされました。
甲乙つけがたい素晴らしいプロジェクトが多数を占める中、この度のAWARDでは、持続可能な社会に向かって、最も「もう一歩前へ」を目指している取組みとして、NPO法人APEXの集合排水処理事業が「世界を変えるトイレ大賞」に選出されました。おめでとうございます!
なお、「GOODプロジェクト選考」は、以下の委員による厳正な審査によって選出されました。

GOODプロジェクト選考委員

  • 上 幸雄
    NPO法人日本トイレ研究所 理事
  • 片山 徹
    (一社)海外環境協力センター 専務理事
  • 北脇 秀敏
    東洋大学 国際地域学部 教授
  • 田和 美代子
    JICA 国内事業部市民参加推進課 課長
  • 森田 昭
    (一財)日本環境衛生センター 総局企画部 JSC支援室 室長
  • トイプロ事務局

<トイプロ事務局からのご案内>

この度応募いただいた各プロジェクトは、受賞の有無にかかわらず、いずれも他のプロジェクトの計画・実行の参考となりうる素晴らしいものでした。そこで、「世界を変えるトイレプロジェクト」では、次期企画として、こうした素晴らしいプロジェクトや様々な衛生問題に関するデータ、知見などを集約して、サニテーションの問題に関わる全ての人とWEB上で共有するための「トイプロアーカイブページ(仮)」を近日オープンいたします。ノミネートいただいた各プロジェクトの資料も掲載いたしますので、お楽しみに!

  • 世界を変えるトイレ大賞

    支援金
    90万円

    APEX「アジア地域に適合的な住民参加型コミュニティ排水処理システムの開発と普及」

    アジア地域に適合的な住民参加型コミュニテイ排水処理システムの開発と普及

    応募団体:特定非営利活動法人 APEX
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  • 新しい取組み賞

    支援金
    30万円

    LIXIL「グリーントイレシステムプロジェクト」

    グリーントイレシステムプロジェクト

    応募団体:株式会社LIXIL
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  • 優れた取組み賞

    支援金
    20万円

    日本下水文化研究会「バングラデシュ農村地域におけるエコサン・トイレの普及活動」

    バングラデシュ農村地域におけるエコサン・トイレの普及活動

    応募団体:特定非営利活動法人 日本下水文化研究会
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  • 優れた取組み賞

    支援金
    20万円

    シャンティ山口「自然循環式トイレの設置と地域衛生環境の改善」

    自然循環式トイレの設置と地域衛生環境の改善

    応募団体:特定非営利活動法人 シャンティ山口
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  • トイプロ事務局特別賞

    支援金
    10万円

    セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「子どもにやさしい幼稚園トイレ推進プロジェクト」

    子どもにやさしい幼稚園トイレ推進プロジェクト

    応募団体:公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
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  • トイプロ事務局特別賞

    支援金
    10万円

    北海道大学大学院工学研究院 サニテーション工学研究室「サニテーションビジネスモデルを用いたアフリカサヘル地域の持続可能な水・衛生システム開発」

    サニテーションビジネスモデルを用いたアフリカサヘル地域の持続可能な水・衛生システム開発

    応募団体:北海道大学大学院工学研究院  サニテーション工学研究室
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※特に優れた取組み賞については審査結果が僅差であったこと、また広くお知らせしたい素晴らしいプロジェクトが多かったこと等から、受賞プロジェクト数を見直し、募集時よりも数を増やしました。それに応じて、賞金額も一部変更になっています。

受賞プロジェクト紹介

  • 世界を変えるトイレ大賞

    支援金
    90万円

    APEX「アジア地域に適合的な住民参加型コミュニティ排水処理システムの開発と普及」

    アジア地域に適合的な住民参加型コミュニテイ排水処理システムの開発と普及

    応募団体:特定非営利活動法人 APEX
    http://www.apex-ngo.org/

    経済発展と社会インフラの整備は、車の両輪のようにバランスしながら進んでいくのが理想です。しかし、現実には、多くの国においてインフラの整備は社会の急速な進展には追い付かず、水質汚染や大気汚染、交通渋滞など様々な環境問題を引き起こしています。

    中でも、下水道インフラの整備は他のインフラに比べて後回しにされることが多く、排水処理の不備が安全な飲み水の確保や住民の衛生環境に悪影響を及ぼしてしまった事例は、世界中で枚挙に暇がありません。

    APEXの取り組むプロジェクトは、経済発展著しいアジア地域の国々が、まさに今直面している社会インフラの不備・不足という課題に対して、対象地域の状況に即した分散型排水処理システム(プラント建設&オペレーション)を、現地でも導入可能な価格で提供することで、解決を目指そうというものです。

    集合処理の導入が各戸のトイレ設置コストを引き下げ、そのことが結果として地域へのトイレの普及を促しています。

    導入する技術も日本の技術をそのまま現地へ持ち込んだものではなく、研究によって現地にあった仕様へのアレンジを繰り返し、より適正なものへと進化させています。

    この先、現地政府や民間企業を巻き込んでPPP(Public Private Partnership)的な形で事業を拡大していくことも十分可能なモデルであること、まさに地域と一体となって事業に取り組んでいることなど参考とするべき点は多く、世界を変えるトイレ賞の受賞となりました。

    ※ ここでは、いわゆる下水道インフラの他、浄化槽や衛生施設(トイレ)を含みます。

    応募書類

    プロジェクト ヒアリングメモ

    参考1 APEX_コミュニティ排水処理事業資料201403

    参考リンク_プロジェクト紹介ページ(APEX WEBサイト内)

  • 新しい取組み賞

    支援金
    30万円

    LIXIL「グリーントイレシステムプロジェクト」

    グリーントイレシステムプロジェクト

    応募団体:株式会社LIXIL
    http://www.lixil.co.jp/

    途上国の開発援助において、ビジネス的な視点を含んだより持続可能性の高い支援に移行していくべきだ、という議論が巻き起こっているのは、ご存じのとおりと思います。

    言うまでもなくビジネスの主役は「企業」であり、BOPビジネスを始め、様々な分野でいろいろなビジネスモデルが検討されています。しかし、残念ながらトイレ(サニテーション)の分野では、まだ革新的な成功事例は存在せず、企業の参入は活発とは言い難いのが正直なところです。

    そうした中で、LIXILはまさに「企業」としての姿勢でプロジェクトに取組んでいます。

    どういった点が企業的か、エコサン・トイレ(エコロジカルサニテーショントイレ)という言葉でも使われている、「エコ(自然にやさしい、持続可能な)」というキーワードを例にご説明しましょう。

    エネルギー問題等を思い浮かべていただければわかりやすいのですが、「エコ」という言葉を使う時、「自然にやさしい仕組みを導入することに価値があるのだから、現在使っているシステムより多少不便になったとしても、ある程度までは目をつぶるべきだ」という主旨の発言を耳にすることはありませんか?

    ところがLIXILは、現在のシステム(水洗トイレ)の代替として全く遜色のないエコトイレ(無水トイレ)の開発を目指しています。なぜかといえば、「今主流となっている製品より不便を強いるような製品はそもそも社会に普及しない」、というマーケティング的な考え方がプロジェクトの背景にあるからです。

    また、プロジェクトの遂行に必要となる製品のスペックを満たすために、積極的に技術開発を行うという、「ものづくり大国日本」の企業的な姿勢も垣間見えます。

    その他にも、ケニアの事例では低所得者層向けの住宅開発事業とコラボするなど、技術的な実証試験終了後のプロモーションまで視野に含めた様々な工夫が凝らされています。

    先進国への逆波及(リバースイノベーション)まで事業スコープに入れたプロジェクトであり、総体として最も革新的・企業的なアプローチであることから、新しい取組み賞といたしました。

    応募書類

    プロジェクト ヒアリングメモ

    参考1_ユニセフ「WASHプログラム」支援、「ISIS2018」スタート

    参考2_プレスリリース:TICAD V アフリカンフェア「インフラフリー・ユニット」

    参考3_プレスリリース:徳島県上勝町(エコ・サニテーション)

    参考4_プレスリリース:JICA インドネシア協力準備調査採択(循環型無水トイレ)

  • 優れた取組み賞

    支援金
    20万円

    日本下水文化研究会「バングラデシュ農村地域におけるエコサン・トイレの普及活動」

    バングラデシュ農村地域におけるエコサン・トイレの普及活動

    応募団体:特定非営利活動法人 日本下水文化研究会
    http://www.jca.apc.org/jade/index.htm

    日本下水文化研究会のプロジェクトは、トイレ普及にかかる様々の草の根的な取組みの中でも、もっとも着実かつ堅実な活動を続けているもののひとつです。

    導入前後の技術的な考察はもとより、トイレ導入のための地元住民の組織化、音楽(祭り)を用いたソーシャルマーケティング的な手法によるプロモーション活動など、どれをとっても、他の範となりうる要素が含まれています。

    加えて、特筆すべきはエコサン・トイレによって製造した肥料のマーケットが作り出され、自家利用ではなく既に商品として出荷されていることです。

    下水文化研究会の活動については、中途な説明よりも、別添のレポート等をご確認いただくのがもっともわかりやすいかと思います。

    まさに日本を代表するエコトイレプロジェクトと言えるでしょう。

    応募書類

    プロジェクト ヒアリングメモ

    参考1_バングラデシュ農村地域の衛生事情とエコサントイレ導入に関する研究(京大衛生シンポ論文)

    参考2_デザインへの考え方 変遷(高村哲)

    参考3_EcoSan Manual 2nd edition without appendix

  • 優れた取組み賞

    支援金
    20万円

    シャンティ山口「自然循環式トイレの設置と地域衛生環境の改善」

    自然循環式トイレの設置と地域衛生環境の改善

    応募団体:特定非営利活動法人 シャンティ山口
    http://www.shanti-yamaguchi.com/

    屎尿を肥料や燃料として再生利用するエコトイレには様々なタイプがありますが、途上国で広められているものの多くは、屎尿を分離したうえで、一定の期間貯蔵・発酵させ肥料化するというドライタイプのトイレが主流です。

    このタイプのトイレは、製造コストが比較的安価だというメリットがありますが、システム上、どうしても堆肥化した人糞を回収する作業が発生するため、現地の維持管理体制がしっかりしていないと、機能しなくなってしまうというリスクをはらんでいます。

    しかしながら、シャンティ山口がタイ山岳地帯の少数民族の村で導入を進めているモデルは、複数の発酵層を組み合わせたウェットタイプのトイレで、処理は人手を介さず畑に直接送り込む形をとっているため、「汲み取り」作業が発生しません。また、現地の気候風土やライフスタイルとシステムがマッチしているためか、実質的にメンテナンスフリーに近い状態が作り出されています。

    もちろん、こうしたモデルの導入にはそれなりのコストがかかることに加え、十分な設置場所が確保できるなどのいくつかの条件をクリアする必要がありますが、メンテナンスフリーということはそれらを補って余りあるメリットと言えると思います。

    さらに、シャンティ山口は、現地で20年以上に渡って活動を続けており、深い信頼関係を構築してきたこともポイントとなりました。

    応募書類

    プロジェクト ヒアリングメモ

    参考1_タイ国・北タイ地域エコトイレ(自然循環式便所)の普及に併せた家庭用燃料製造装置の開発実践(2007.10)

    参考2_PHAYAO レポート2012-02 (NHK World Radio JP-2th)「翻訳HIROSHI IIMURA THAIRAND 」

  • トイプロ事務局特別賞

    支援金
    10万円

    セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「子どもにやさしい幼稚園トイレ推進プロジェクト」

    子どもにやさしい幼稚園トイレ推進プロジェクト

    応募団体:公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
    http://www.savechildren.or.jp/

    セーブ・ザ・チルドレンのプロジェクトは、「現在あるトイレを子どもにやさしいものに作り替える」、というもので、トイレの普及を数的に増すというものではありません。また、ハード面で特段革新的な技術を用いているわけでもありません。

    しかしながら、現地政府との連携を含め、プロジェクトの遂行、普及啓発活動といったソフト面には目をみはるものがあります。

    この先トイレの普及を各国へ、そして各国と働きかけていくにあたって、地元の行政と連携し、また地元の行政の役割を補完するようなプロジェクトに携わる人間が参考とすべき多くの示唆にあふれています。

    そこで、もっとも優れた啓発活動を行ったプロジェクトとして、トイプロ事務局特別賞といたしました。

    応募書類

    プロジェクト ヒアリングメモ

    参考1_啓発用パンフレット(Why should Kindergarten toilets be Child-Friendly?)

    参考2_IMPLEMENTATION OF POSITIVE DISCIPLINE IN SCHOOL AND KINDERGARDENS(国際フォーラム報告書)

    参考リンク_プロジェクト紹介ページ(SCJ WEBサイト内)

  • トイプロ事務局特別賞

    支援金
    10万円

    北海道大学大学院工学研究院 サニテーション工学研究室「サニテーションビジネスモデルを用いたアフリカサヘル地域の持続可能な水・衛生システム開発」

    サニテーションビジネスモデルを用いたアフリカサヘル地域の持続可能な水・衛生システム開発

    応募団体:北海道大学大学院工学研究院  サニテーション工学研究室
    http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/UBNWTRSE/project/jst-jica/index.htm

    一般に「ビジネスモデル」というと「モノを売る側」の視点、例えばトイレであればトイレの製造・販売者(メーカー等)サイドに立ったスキームを指すことが普通です。

    また、エコトイレは屎尿を肥料や燃料として再生し、そこから収益を得ることが可能なトイレですが、基本的なコンセプトは、トイレを導入すると付随として家計にもプラスにもなる(=あくまでトイレとしての機能が主であり付加要素としてなんらかの収入増がある)というものであり、そのことをあえて「ビジネスモデル」と表現するほどのものではありません。

    しかしながら、北大チームのプロジェクトは、そうしたものとは一線を画した概念をプロジェクトの核においています。「トイレという生産設備の導入とそのオーナーのためのビジネスモデル」とでも表現できる先鋭的な発想で、ここではトイレのオーナーが収入を得ることが主目的であり、そのための手段・ツールとしてトイレを捉えています。

    コンセプト実現には費用対効果の検証を含め様々な課題を乗り越えていかなければなりませんが、応募プロジェクト中、トイレ普及をもっともポジティブな視点で捉えたものとして、トイプロ事務局特別賞といたしました。

    応募書類

    プロジェクトヒアリングメモ

本企画に関するお問合せ先

特定非営利活動法人日本水フォーラム(担当: 浅井、横山、寺岡、鈴木、朝枝)
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町5-4 アライズ第2ビル6階
TEL: 03-5645-8040 FAX: 03-5645-8041
E-mail: good-toilet-question@waterforum.jp

※この企画は、一般財団法人地球産業文化研究所の愛・地球博成果継承発展助成事業により実施しています。