第4回世界水フォーラム速報


「第4回世界水フォーラム全体会合における皇太子殿下基調講演」が宮内庁ホーム ページに掲載されました。

 3月16日、メキシコ・シティにおいて、日本国皇太子殿下、オランダ皇太子殿下、 モロッコ首相のご臨席のもと、フォックスメキシコ大統領によって第4回世界水 フォーラムの幕が開きました。7日間の会期中に19,766名の参加を得て、国連水の 日である3月22日の閉会式をもってその日程を終えました。


 日本水フォーラムでは、日々の見所を「第4回世界水フォーラム速報」として現地 で作成し、毎日ウェブサイトを通じて発信しました。今もご覧いただけますので、ぜひこちらにアクセスしてみてください。


 以下、第4回世界水フォーラムの概要と日本水フォーラムが 関係した分科会等についてご報告します。


<開催概要>
 第4回世界水フォーラムの開催概要を数字から見ると以下の通りとなります。 (出典:第4回世界水フォーラム事務局作成Summary of the 4th World Water Forum Activities)


  • 全参加者数19,766名
  • 市民団体の参加 団体数880団体 市民団体メンバーとして登録した数1,515名 
  • 閣僚級会議 代表団149カ国 閣僚級の参加78名
  • 地方自治体首長120名
  • 国会議員150名
  • 水のエキスポ 一般来場者8,105名 出展者340 (墨国内53%/海外47% ) 参加国  25カ国
  • 水フェア 出展者 108 (墨国内50% /海外50%) 参加国21カ国
  • 第2回世界子ども水フォーラム 参加した子どもの数107名
  • 第3回ユース世界水フォーラム 参加したユースの数95名 (墨国から34 名とその他 22カ国から参加)
  • 報道関係者の数 1,395名
  • 分科会の数 206(内訳3/17:42、3/18:41、3/19:41、3/20:43、3/21:39)
  • 特別セッションの数 21
  • 登録されたローカルアクションの数 1,631
 日本で開かれた第3回世界水フォーラムと比べると、全体参加者数(第3回: 24,060人)、閣僚級会議への参加国数(第3回:170カ国)と規模が小さくなっては いますが、当初の目標参加者数が10,000人であったことを考えると、想定規模をはるかに超える 会議となりました。
 また、報道関係者の数は、第3回世界水フォーラム時より若干ではありますが上回 っており、世界の水問題に対する関心がさらに高まっていることを示しているのではない かと思われます。


<第3回から第4回世界水フォーラムへ/国連「水と衛生に関する諮問委員会」>
 開会式の後には、日本水フォーラム会長であり国連「水と衛生に関する諮問委員会」 議長である橋本龍太郎元内閣総理大臣が二つの講演を行いました。一つは、「第3 回から第4回世界水フォーラムへ」で、第3回世界水フォーラム以降の世界の水問 題の動きを概観し、第3回世界水フォーラムでの約束がどのように推移したのかについても報告されました。もう一つは、国連「水と衛生に関する諮 問委員会」が過去5回の会合での議論を経てまとめた「諮問委員会行動計画 (Compendium of Actions)」の発表であり、今後、国際社会が水問題に取り組む方向性を示すものとして注目を集め、世界を主導する役割を果たすものと期待されています。
 

<皇太子殿下基調講演「江戸と水運」>
「第4回世界水フォーラム全体会合における皇太子殿下基調講演」が宮内庁ホーム ページに掲載されました。


 3月17日には、皇太子殿下が「江戸と水運」と題する講演をされました。テムズ川の 水運、特に閘門の発達史を踏まえて、日本で現存する最古の閘門式運河である見沼 通船堀が果たしてきた役割から説きおこし、当時の世界の大都市・江戸を支えた 「江戸と水」との関係について述べるというものでした。通船堀のような歴史的 施設を保存し、活かすことによって、それぞれの地域に最もふさわしい水問題の 解決策を見つけることにつながるのではないでしょうか、とお話を結ばれ、世界 の人達に深い感銘を与えられました。また同日に開催された国土交通省、韓国、 米国等の共催による「水と交通」分科会でも世界の舟運について議論されました。


<資金調達>
 第4回世界水フォーラムでは、「資金調達」がひとつの大きなテーマでした。世界 水会議(WWC)と世界水パートナーシップ(GWP)が中心となり、次期OECD事務総長 であるアンヘル・グリア議長のもとで議論を進めてきた「グリア・パネル」による 分科会では、二つの主要テーマに関する議論の結果が発表されました。日本水フォ ーラム尾田事務局長もこのパネルのメンバーです。満員の会場には立ち見も多く、 参加者の関心の高さがうかがえました。テーマは、それぞれ「ローカルアクション の資金調達モデル開発」、「農業用水向けの資金」であり、これまでの成功例、 革新的な事業についての報告が行われました。全体的に資金受け入れ側の能力向上 の重要性が強調された発表が多くありましたが、資金供給側(多国間・二国間援助 機関)は、革新的な資金調達スキーム開発努力を忘れてはならない、というグリア 議長のコメントが印象的でした。


<統合水資源管理の実施>
 「メガセッション」として、1日を通じて行われた世界各国における統合水資源 管理の取り組みに関する分科会では、まず、各国におけるIWRMの取り組みに先立ち、 IWRMの進捗状況を評価する取り組みを行っている各機関からの報告がありました。 世界各国を対象としたグローバルな調査として、GWPと日本水フォーラムが発表を 行い、地域を対象とした調査に関する発表も行われました。これらの調査は、多岐 にわたるIWRMの取り組み状況を評価し、人々の意識を啓発するとともに、IWRMの 道しるべをつけるという強い意志のもと、様々な協力を得て行われたものです。 その評価手法や評価結果に対し、多くの質問が交わされるなど活発な議論を呼び 起こしました。日本水フォーラムは、各国における水資源管理を取り巻く組織、 法律、予算等の体制等をアンケート調査から把握し、さらにIWRMの進捗における 成果を指標により評価し、82カ国のIWRMの進捗状況をランク分けしました。その 結果、28%の国々が順調にその取り組みを進めている、またはその成果が現れて おり、57%の国々がいくつかの進捗が見られ、15%の国々がIWRMの取り組みを まさに始めようとしている段階にあるといった分析が報告され、聴衆の関心を集めました。 <アジア・太平洋水閣僚会議/アジア・太平洋水フォーラムの設立>
 日本水フォーラムは、3月20日にアジア・太平洋地域のコーディネーターとして 「アジア・太平洋水閣僚会議」を主催しました。14カ国の閣僚ら151人が出席した 本会議では、21日のアジア・太平洋地域の日で「ジョイント・メッセージ」を 発表するのに先立ち、橋本龍太郎会長による「アジア・太平洋水フォーラム構想」 の経緯の説明がありました。続いて、アジア開発銀行のファン・デル・リンデン 副総裁やキム・ハクス国連アジア太平洋経済社会委員会事務局長らによる賛意が 表され、その後、中国、バングラデシュ、韓国、ニュージーランド、パラオ、 モンゴル、パキスタンの各大臣、政府代表者および、JBIC、国連環境計画 (UNEP)、ユニセフ、国連開発計画(UNDP)、メコン川流域委員会(MRC)、 ユネスコ、国連食糧農業機関(FAO)、国連国際防災戦略(ISDR)等の国際機関 からも、アジア・太平洋水フォーラムへの支援が表明されました。新しいネッ トワークに対する世界の関心の高さを実感することができました。
 翌21日のアジア・太平洋地域の日における発表では、橋本会長により「アジア ・太平洋水フォーラム」の設立が宣言されました。 <危機管理>
 危機管理のテーマのもとでは、日本水フォーラム主催で「津波と高潮」に関する 分科会を開催しました。インド洋大津波以降、日本水フォーラムがユースを中心 に進めてきたスリランカにおける災害教育に関する取り組みや、パキスタンから の災害後の衛生問題への取り組みなど具体的な活動に関する発表がありました。 アジア・太平洋地域では、人口500万人以上の大都市のほとんどが水災害に対し て脆弱な沿岸域に集中しており、2000年時点で21都市、2015年には32都市に増え ることが予測されています。高まる気候変動の影響とも相俟って、水災害は人々 にとってさらに脅威となっていくことが想定されます。このため、本当に必要な 知識を蓄え、必要な行動を促進することが危急の課題となっています。本分科会 では具体的な事例を通じて、今後の防災、災害対策のあり方を示唆するような 議論が活発に行われました。


<水のエキスポ>
 3月16日から21日の日程で行われた「水のエキスポ」では、日本の産・官・学・ NGOというあらゆるステークホルダーが一体となって日本の水に関する取り組み、 技術を紹介する初の試みとして「日本パビリオン」を出展し、日本の24の企業、 団体が共同で展示を行いました。「日本パビリオン」では毎日18時から19時に 「ジャパンナイト」を開催しました。「鏡割り」、踊り、書道、俳句、日本語 のワークショップ等を通じて、日本、そして日本の水に関する取り組みにも多 くの方が関心を持つきっかけになったと確信しています。



<最終日>
 最終日は、会場をメキシコ・シティ内のホテルに移して行われました。閣僚級 会議は前日に引き続き議論を行った後、閣僚宣言を採択し、終了しました。 この中では、第3回世界水フォーラムの閣僚級国際会議で発表された「水行動集 (PWA)」が持続可能な開発委員会(CSD)と連携した形で発展した「水行動ネット ワークデータベース(WAND)」の発表式も行われました。
 また、世界水行動計画(WWAP)は『世界水発展報告書』の第二版を発表し、 その中の優良事例の紹介も行われました。
 引き続き行われた閉会式では、京都世界水大賞の最優秀団体が発表されました。 本大賞は、水に関する住民参加型の持続可能な草の根活動を行っている団体に 与えられるものであり、今回が第1回目の実施でした。見事、最優秀団体に輝い たのは、グラム・ヴィカス(Gram Vikas)というインドのNGOの「インド・オリ ッサ地域における農業用水と下水道のコミュニティ主導管理と、それを通じた 尊厳の構築」というプロジェクトでした。


 その他、日本水フォーラムは、第2回世界子ども水フォーラムの開催にも準備 段階から共催者のひとつとして貢献してきました。世界子ども水フォーラムで の日本の子どもたちによる活動報告は河川環境管理財団の下記ホームページに 詳しく掲載されています。
http://www.mizube-support-center.org/cwwf-f/2005/cwwf2gaiyou.html