JWF News 5月号 第4回アジア・太平洋水サミット 第2回合同実行委員会を開催しました

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【JWF News Vol. 187】第4回アジア・太平洋水サミット 第2回合同実行委員会を開催しました
2020年5月20日発行

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◇目 次◇

・巻頭言 持続可能な流域社会の再構築

・日本水フォーラムからのお知らせ
– 日本水フォーラムへの「ご寄付」と「賛助会員の会費」が税制優遇の対象となります
– 令和2年度 通常総会の開催について

・日本水フォーラムからの報告
– 第4回アジア・太平洋水サミット 第2回合同実行委員会を開催しました
– JWFファンド2019 完了しました!
– JWFファンド2018フォロアップ 完了しました! 

・活動へのご支援・ご協力のお願い

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・巻頭言 持続可能な流域社会の再構築
代表理事 竹村公太郎

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第4回アジア・太平洋水サミットの延期 
現在、人類は新型コロナウイルスと世界中で戦っています。北半球では山場を越えたともいわれていますが、決して油断できません。
5月13日に、第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)の第2回合同実行委員会が、ウェブ会議として開催されました。16人のご参加のもと、今年10月に熊本で開催が予定されていた4th APWSは延期されることと、今後の対応が議題となりました。
アジア・太平洋水サミットは、各国の最高意思決定者の方々に、持続可能な社会に向けて、真剣な討議と意見交換をおこなって頂く機会です。そのためにも、首脳級の方々にご参集頂くための十分な準備と状況が大切です。
そこで、4th APWSが有意義な会議となるためにも、開催延期は適切な判断であるとして、当委員会で支持されました。
今後に向けた取組みについては、有意義なご意見が多く出されました。中でも重要なのは、今般の新型コロナウイルスの危機は、衛生の問題であると同時に、人類全体で立ち向かわなければならない災害の問題である、ということです。また、各国・各機関の連携はもちろんのこと、ローカルのガバナンスや、各地域のコミュニティーが重要であるというご指摘が強く印象に残りました。

緊急事態宣言
日本では4月16日、首都圏と関西圏だけでなく、日本全土での緊急事態宣言が出されました。人々の国内移動を最小限にしようという狙いがありました。
日本全土での緊急事態宣言には、首都圏に行った人たちは故郷に帰省しないでくれ、という意味もあります。地方の医療のキャパシティーが小さいので、ウイルスが広がれば、その地方の医療が崩壊する恐れがあるからです。
都会に出ていった親類縁者に対して「帰ってこないでほしい」と言う日が来るなど、今まで想像もしなかった事態です。
今、各地方が過疎化と高齢化で苦しんでいるのは、若者が都会に行ってしまったからです。日本の近代とは、地方から力と知恵と富が、都市へ集中したプロセスでした。
言い換えると、日本の近代は、江戸の流域社会の崩壊でした。

江戸の流域社会と近代の流域崩壊
日本列島の地形は海峡と山々で分断されていて、脊梁山脈からは無数の川が流れ下っています。この日本列島の地形の単位は流域でした。(図)で示されているのが流域単位の日本列島です。

nl vol.175_3(図)

1600年、関ケ原の戦いで勝った徳川家康は、この各地の流域の中に大名たちを封じました。流域に封じられた日本人は、外へ膨張するエネルギーを内なる流域開発に向け、富を生みだし、富を蓄積していきました。地方は強固な流域共同体社会を確立していったのです。
明治5年、新橋で汽笛一声が響きわたりました。
流域に分断されていた日本列島は、鉄道によって横串に貫かれました。その鉄道は全て東京に向かっていました。
全国の若い人材は、鉄道に飛び乗り東京へ向かいました。人々は東京に集中し、集まって企業を起こし、口角泡を飛ばし議論をし、議会をつくり、近代国家へ滑り込んで行きました。
日本人たちは、各地の流域社会を見放し、東京に集中することに躊躇しませんでした。
近代化はこのように流域社会を崩壊させていったのです。

未来への持続可能な日本
この度の新型コロナウイルスは「一局集中した東京は危険」ということを見せつけました。感染症の危機だけではありません。食糧、水資源、エネルギー、ゴミ処理に関して、都市は自立できません。地方に支えられてやっと生きています。
100年オーダーで、持続可能な安全で快適な国を目指すには、都市への一極集中を全国各地の流域に分散し、それを連携させていくことがどうしても必要となります。
私たち日本水フォーラムは、改めて、流域社会の再構築について考え、それを実現するにはどうしたらよいのかに取り組んでいきたいと思います。

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・日本水フォーラムからのお知らせ

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– 日本水フォーラムへの「ご寄付」と「賛助会員の会費」が税制優遇の対象となります

2020(令和2)年2月3日、日本水フォーラムは、公益の増進に資する団体として「認定NPO法人」に認定されました。寄付者におかれましては、今後、税の優遇措置を受けることが可能となり、日本水フォーラムにおいては安定した事業展開に繋がることが期待されます。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/info/2020/0520/?p=13453

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– 令和2年度 通常総会の開催について

令和2年度 通常総会は、6月下旬に開催を予定しております。
詳細につきましては、6月上旬頃、あらためてご案内申し上げます。

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・日本水フォーラムからの報告

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– 第4回アジア・太平洋水サミット 第2回合同実行委員会を開催しました

5月13日、丹保憲仁副委員長(元北海道大学総長/一般財団法人北海道河川財団会長)、大西一史副委員長(熊本市長)を始め、国内外16名の委員の参加の下、第2回合同実行委員会をウェブ会議形式で開催しました。
新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大を受け延期となった第4回アジア・太平洋水サミットについて、新たな日程での円滑な開催に向けて、実りある成果を生み出せるよう、コロナ禍で得られた教訓の成果文書への反映の仕方及び分科会の構成等に対して、建設的なご意見、ご助言を頂きました。また、サミットの開催までに、ウェブ会議での開催を含め合同実行委員会を複数回開催することが丹保副委員長より提案され、事務局として新型コロナウイルス感染症の影響を慎重に見極めながら、委員等と日程調整していくこととなりました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/policy_recommendations/apws/2020/0519/?p=13265

(報告者:ディレクター 浅井重範)

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– JWFファンド2019 完了しました!

JWFファンドは、2005(平成17)年に日本水フォーラム(JWF)が設立し、JWFへの会費や一般の方から寄せられた寄付を元に独自に運営する助成基金です。発展途上国の水問題解決のために草の根活動を行っている団体を対象に、毎年プロジェクトを公募し、採択された団体には1プロジェクトあたり1,000 USドルを上限とした資金を助成しています。
JWFファンド2019では、36カ国から302件の応募があり、選考の結果、6カ国7件の活動を支援しました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2020/0519/?p=13328

(報告者:ディレクター 浅井重範)

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– JWFファンド2018フォローアップ 完了しました!

JWFファンドは、現場の課題やニーズに効率的かつ効果的に応えることを念頭に活動しています。2015年からは、活動終了から約1年後に課題やニーズにどのような変化が見られたかを把握、理解することを目的に、現地団体の協力を得て、フォローアップ調査を実施しています。
フォローアップ活動を開始して5年目となる2019年度は、JWFファンド2018で支援した7件の実施団体のうち、5件(ラオス1件、マラウイ1件、シエラレオネ1件、ウガンダ2件)に、フォローアップ調査実施の打診をしました。その結果、ラオスを除く4団体から実施承諾の回答を得て、フォローアップ調査を実施しました。

▼マラウイ▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2020/0520/?p=13255?tag=jp,rep_jp

▼シエラレオネ▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2020/0520/?p=13244?tag=jp,rep_jp

▼ウガンダ▼
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2020/0520/?p=13195?tag=jp,rep_jp
https://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2020/0520/?p=13227?tag=jp,rep_jp

(報告者:ディレクター 浅井重範)

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・活動へのご支援・ご協力のお願い

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「第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)」は一年程度の延期となりましたが、開催に向けた準備は着実に進めて参ります。
新たな日程で4th APWSを円滑に開催できるよう、引き続きご寄付・ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

▼寄付の詳細はこちら▼
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▼問い合わせ先はこちら▼
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E-mail: news[at]waterforum.jp
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JWF News Vol. 187 令和2年5月20日発行
認定特定非営利活動法人日本水フォーラム
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TEL: 03-5645-8040 FAX: 03-5645-8041
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現在、新型コロナウイルス感染拡大の防止対策として、職員一同在宅勤務・テレワークを実施しています。そのため、ご意見等に対するご返信に数日を要する場合もございますので、予めご了承頂きたくお願い致します。
皆様の安全とご健康を祈念申し上げます。

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このコンテンツは、公益財団法人 河川財団の河川基金の助成を受けています。

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