JWF News 11月号 「第4回アジア・太平洋水サミット開催1年前イベント」を開催しました!

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【JWF News Vol. 181】「第4回アジア・太平洋水サミット開催1年前イベント」を開催しました!
2019年11月20日発行

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◇目 次◇

・巻頭言 治水の原則 ―1 cmでも10 cmでも低く― 

・日本水フォーラムからの報告
– 「第4回アジア・太平洋水サミット開催1年前イベント」を開催しました!
– 「第7回アジア・太平洋都市フォーラム」参加報告
– 「ブダペスト水サミット2019」参加報告

・活動へのご支援・ご協力のお願い

・掲示板コーナー

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・巻頭言 ―1 cmでも10 cmでも低く―
代表理事 竹村公太郎

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 2019年10月12日、巨大台風19号が関東から東北南部を襲いました。50河川以上で70カ所以上が決壊し、首都圏、東北では未曽有の災害となりました。テレビ、ラジオそしてインターネットで多くの意見が飛び交い、この災害を理解しようと様々な意見が交わされています。
 治水とは何か?治水の核心はどこにあるのか?
 この時期、これを整理しておく必要があると感じました。

治水の原則
 洪水は自然現象です。自然現象は整然としていません。人間の予測を大きく超えて暴れまくります。その自然に対峙するとき、人間はその自然の気ままさに振り回されてしまいます。振り回されているうちに、自分たちの依るべき根拠、原則を見失ってしまいがちです。
 この気ままで狂暴な洪水に対峙する際、不動の原則を持つことが重要です。そして、その原則は簡潔で、明瞭でなければなりません。
 「治水の原則」は「洪水の水位を下げる」この1点です。 洪水の水位を10 cm、いや2 cmでも1 cmでも下げる。それが治水の原則なのです。なぜなら、洪水が来襲した場合、堤防に負荷をかけないこと。そのために洪水の水位を下げることが絶対の条件です。
 この治水の原則は、簡単で、ぶれがありません。簡単でぶれないからこそ、この原則から多様な治水の手法が生まれていきます。
 ただし、多様な治水の手法には厄介な問題が内在しています。
 全ての治水の手法は、長所と短所を持っています。絶対的に正しい治水の手法などないのです。それぞれの河川で、それぞれの時代で、治水の原則に立ち帰り、より良い治水の手法を選ぶしかないのです。

多様な治水の手法 
 最も原始的な手法は、ある場所で溢れさせることです。ある場所で洪水が溢れれば、そこから下流の洪水位は下がります。この治水効果は絶大です。古い時代から、世界中で用いられてきました。日本でもこの手法は多用されてきました。
 河川の切り替えと呼ばれたり、放水路と呼ばれたりする手法があります。河川を切り替えて、洪水を他へ誘導してしまうのです。そして、川の水位を下げて沿川の土地を守ります。大都市の東京や大阪も川を切り替えて守られています。
 川幅を広げて、洪水の水位を下げる手法があります。川幅の拡幅は、地先の水位を下げるだけではありません。上流一帯の水はけを良くする効果があります。
 川底を掘って水位を下げる手法もあります。
 ダムや遊水地で洪水を一時的に貯め、川の水位を下げる手法があります。台風19号でも遊水池、ダムは大活躍して洪水を貯め、下流を守りました。

大河川でのチーム治水
 「治水の原則」それは「洪水の水位を下げる」こと。
 そのための様々な手法がありますが、例えば、日本の大河川で、首都圏を抱える利根川などでは、一つの手法では治水は解決しません。
 江戸時代からある堤防を強化する。川底の浚渫をする。遊水池を整備する。ダムを建設する。既存ダムの嵩上げをする。そして、気象の狂暴化に応じて、先輩たちが整備した施設の運用を見直していく、などの複数の手法が必要となります。
 複数の施設がチームとなり首都圏を守る。江戸時代の知恵と21世紀の最新の知恵がチームとなって首都圏を守っていく。これしかありません。

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・日本水フォーラムからの報告

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– 「第4回アジア・太平洋水サミット開催1年前イベント」を開催しました!

4th APWS熊本市運営委員会と日本水フォーラム(JWF)は、第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)(2020(令和2)年10月19日(月)-20日(火)の2日間開催)に向けたリレーシンポジウムの記念すべき第1回目を10月19日(土)に熊本市で開催しました。
4th APWSの共同主催機関の代表として、熊本市から大西一史市長、アジア・太平洋水フォーラムの事務局を務める日本水フォーラムから竹村公太郎代表理事が出席し、4th APWS開催の意義や、熊本市の皆様に期待することについて議論がなされました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/policy_recommendations/apws/2019/1119/?p=12409

(報告者:チーフ・マネージャー 石原小枝)

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– 「第7回アジア・太平洋都市フォーラム」参加報告

第7回アジア・太平洋都市フォーラム(APUF-7)が、2019年10月15日~17日にマレーシア・ペナンで開催されました。
APUF-7は、アジア太平洋地域の都市の持続可能な未来を達成するために、共通の行動と目的を特定して、効果的なパートナーシップを強化することを目的に、UN-ESCAP(国際連合アジア太平洋経済社会委員会)、UN-Habitat(国際連合人間居住計画)、Urbanice Malaysia及びマレーシア政府の主催により開催されました。
第4回アジア・太平洋水サミット(4th APWS)の合同実行委員会の副委員長である、大西一史・熊本市長は、APUF-7に出席し、リーダーズ・ダイアローグ及び行動宣言の場で、4th APWSへの参加を呼び掛ける広報活動を行いました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/policy_recommendations/apws/2019/1119/?p=12374

(報告者:マネージャー 上村奈津子)

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– 「ブダペスト水サミット2019」参加報告

2019年10月15~17日にかけて、ハンガリー・ブダペストにおいて、ハンガリー政府主催・アーデル・ヤーノシュ(Ader Janos)ハンガリー大統領後援の「ブダペスト水サミット」が開催されました。ブダペスト水サミットには、カンボジアのフン・セン首相、及び、インドのガジェンドラ・シン・シェカーワト水活用(Jal Shakti)大臣を含む、118か国から約2500名が会合に参加しました。

ブダペスト水サミット2019は、「水危機の阻止」というテーマのもと、上記各国政府高官等が、ステートメントを述べました。また、10のセッションが開催されました。各スピーカーやパネリストは、既存の科学的知見や規制・制度、技術、資金的ギャップを認識しつつ、新たに発生している水危機をどうやって避けるか、避けることができない危機をどうやって管理していくか、事例を紹介しつつ議論を展開し、参加者と意見交換を行いました。

▼詳しくはこちら▼
https://www.waterforum.jp/all/policy_recommendations/apws/2019/1120/?p=12515

(報告者:マネージャー 朝山由美子)

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・活動へのご支援・ご協力のお願い

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日本水フォーラムは、皆様の会費及び寄付等によって国内外の水問題解決に向けた活動を行っております。
日本水フォーラムの活動を支援していただける会員を募集しております。
水問題解決に向けた持続可能な取組みを行うために、皆様の温かいご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。

▼会員募集の詳細はこちら▼
https://www.waterforum.jp/jp/get_involved/

日本水フォーラムは、国内外の水問題解決に向けて分野問わず幅広い方々と協働で活動を展開しています。
日本水フォーラムの活動にご協力いただける方、ご興味のある方は以下よりお問い合わせください。

▼問い合わせ先はこちら▼
TEL: 03-5645-8040
E-mail: news[at]waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。

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・掲示板コーナー

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【第202回河川文化を語る会】講演『水都大阪、流転する歴史の残像を求めて』
主催:公益社団法人 日本河川協会
日時:2019年11月21日(木)15:00~17:00
場所:エル・おおさか
http://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_index.htm

【第16回 柿田川シンポジウム『湧水がはぐくむ柿田川の生態系』】
主催:柿田川生態系研究会
日時:2019年11月30日(土)13:00~17:00(開場12:30)
場所:三島商工会議所会館TMOホール(静岡県三島市)
http://www.rfc.or.jp/pdf/event/R1kakita_program.pdf 

【令和元年度 河川情報シンポジウム】
主催:一般財団法人河川情報センター
日時:2019年12月6日(金)10:00~17:00
場所:ベルサール半蔵門2Fイベントホール(東京都千代田区)
http://www.river.or.jp/koeki/events/sympo/r01_info.html 

【第203回河川文化を語る会】講演『治水をめぐる信仰と民俗 ―災害民俗学の思想と方法』
主催:公益社団法人 日本河川協会
日時:2019年12月6日(金)2019年12月6日(金)
場所:埼玉県県民健康センター 1F「大会議室C」(埼玉県さいたま市)
http://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_index.htm

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JWF News Vol. 181 令和元年11月20日発行
特定非営利活動法人日本水フォーラム
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町5-4 アライズ第2ビル6階
TEL: 03-5645-8040 FAX: 03-5645-8041
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