ニュースレター

2019年05月22日

ニュースレター

JWF News 5月号 令和元年度 通常総会の開催について

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【JWF News Vol. 175】令和元年度 通常総会の開催について
2019年5月22日発行

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◇目 次◇

・巻頭言 日本近代化の謎―流域封建から中央集権へ  

・日本水フォーラムからのお知らせ
- 令和元年度 通常総会の開催について
- JWFファンド2019 公募開始に関するお知らせ

・日本水フォーラムからの報告
- 第4回アジア・太平洋水サミット合同運営委員会(第一回)を開催しました
- 水防演習大使館ツアー2019 大好評!
- JWFファンド2018 完了しました!
- JWFファンド 2017 フォローアップを実施しました!

・活動へのご支援・ご協力のお願いについて

・掲示板コーナー

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・巻頭言 日本近代化の謎―流域封建から中央集権へ 
代表理事 竹村公太郎

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 5月1日、新しい天皇陛下が即位され、時代は令和となりました。日本人は改めて日本を語り合う貴重な機会を得ることとなったのです。天皇陛下は、日本社会の最たる上部構造に位置されておられます。私はインフラの専門家なので、日本を語るときも、社会の下部構造からの視点となります。

トインビーの言葉
 「人類の歴史の奇跡の一つは、日本の明治以降の近代化である」
 これはアーノルド・J・トインビーの言葉です。トインビーは1889年生まれで1975年に没した英国の歴史学者です。
 あの怜悧な歴史学者が、日本の近代化を「世界の奇跡」と断言しているのです。なぜ、幕藩体制だった日本が、一気に西欧文明を追いかけ、近代化を達成できたのか?これが謎です。

江戸の流域封建社会
 日本列島は極めて特徴的な地形です。
 列島中央には脊梁山脈が走り、その脊梁山脈から日本海と太平洋に向かって無数の川が流れ下っています。人々は稲作のため、各地の沖積平野に住みついていきました。これらの土地は、山々と海峡と川で分断されていました。
 江戸幕府は、この地形で分断されている流域に大名たちを封じ込めました。(図―1)は日本列島の流域区分図です。流域に封じ込められた大名たちは、流域の中で堤防を築き、川から水を引き、農地を開発していったのです。
 流域に封じられた大名たちは、新たな土地と富を獲得しました。地方権力の基盤が固まり、江戸幕藩体制が整っていったのです。これはインフラからいうと「流域封建」と呼べる社会体制だったのです。この確固たる流域封建社会こそ、次の近代化の幕開けの最大の障害でした。

nl vol.175_1
(図―1)

封建から中央集権への脱皮
 海外では、諸帝国がアフリカ、中東、南アジア、東南アジア、太平洋諸島を次々に植民地にしていました。植民地政策の原則は「分割統治(Divide and Rule)」です。その国の権力層の亀裂を拡大させ、疑心暗鬼を増幅させ、内戦へ誘う。内戦で体力が消耗したころ、傀儡政権を擁立しその国を支配していく。
 帝国たちにとって、日本の幕藩体制は絶好の条件でした。各地の地方権力者に内戦を起こさせればいいのです。

 それは絶対避けなければならない。地方の大名の権力を解消し、全国に分散していた権力と富を東京に集中させ、国家を構築していかなければならない。これが明治政府の基本方針だったのです。
 日本の封建社会は、流域の地形に適応していました。この流域地形で形成された強固な地方主義から脱皮しなければならなかったのです。これをインフラから実現した人間が現われました。その海峡と山々と川で分断されていた流域を貫き、東京へ集中させるインフラ装置です。
 それは蒸気機関車でした。

鉄道の衝撃
 鉄道計画を推し進めた中心人物は、大隈重信と伊藤博文でした。
 それまで数時間かかっていた東京と横浜をたった1時間で結んだのです。
 (図―2)は多摩川を渡る蒸気機関車です。それまでの多摩川や鶴見川は、地域を分ける厳然とした境界でした。蒸気機関車はその河川をあっけなく渡り、河川の境界としての機能は消滅していったのです。

nl vol.175_2

(図―2)
六郷川蒸気車往返之全図(部分)
歌川広重(3代)1871年(明治4年)
(都立中央図書館特別文庫室所蔵)

 当時の首相格であった大久保利通の凄さは、この鉄道の社会的な衝撃性を一瞬にして理解したことでした。鉄道建設に激しく反対していた大久保利通は、鉄道に乗車した日の日記に「百聞は一見にしかず。愉快に絶えず。鉄道の発展なくして国家の発展はありえない」と記述しています。
 大久保利通は、一気に鉄道建設への投資に舵をとりました。新橋―横浜間の開業からわずか30年余りで、鉄道網は、北海道から九州まで7,000 kmを突破しました。
 (図―3)は東京へ向かう鉄道網です。野心満々の若い人材と資金は、鉄道に飛び乗りました。東京へ、東京へと集中していったのです。

nl vol.175_3
(図―3)

流域社会の崩壊
 地形で分断されていた流域は、江戸の封建社会を支えていたのです。その流域は、鉄道によって貫かれ、日本列島は1つに結ばれてしまったのです。
 日本は封建制度から一気に東京中央集権国家に変身しました。人材と資金を東京に集中させた民族は強かったのです。団結して企業を起こしました。口角泡を飛ばし、民主主義と憲法と議会を論じました。そして、世界史の最後の帝国国家に滑り込んで行ったのです。

 明治5年、新橋で汽笛一声が響きわたりました。
 その汽笛は、日本人が親しんできた流域社会への別離を告げていました。東京一極集中の近代文明への号砲でもありました。
 「流域社会の消滅」が、トインビーが奇跡と云った「日本の近代化」の答えの一つだったのです。

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・日本水フォーラムからのお知らせ

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- 令和元年度 通常総会の開催について

令和元年度通常総会の開催を、以下の通り予定しております。
・日 時:令和元年6月20日(木) 14時00分~15時50分
・場 所:日本橋公会堂 第3・4洋室
     東京都中央区日本橋蛎殻町1-31-1

会員の皆様へは、5月下旬に別途郵送にてご案内申し上げます。

▼詳しくはこちら▼
http://www.waterforum.jp/all/info/2019/0513/?p=11202?tag=jp,rep_jp

(報告者:チーフマネージャー 石渡京子)

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- JWFファンド2019 公募開始に関するお知らせ

JWFファンドは、2005(平成17)年に日本水フォーラムが設立し、独自に運営する助成基金です。
発展途上国の水問題解決のために草の根活動を行っている団体を対象に、毎年プロジェクトを公募し、採択された団体には1プロジェクトあたり1,000 USドルを上限とした資金を助成しています。
この基金は、日本水フォーラムの会費や、一般の方からCharity for Waterに寄せられた寄付等により運営されています。

日本水フォーラムは、本年もJWFファンド2019の公募を行います。
本年の応募申し込み期間は、2019年6月3日~7月15日18時(日本時間)までです。なお本年は6~7件の採用を予定しております。

この基金による支援が、草の根レベルの水問題解決にとって確実な一歩となることを願っています。

▼詳しくはこちら▼
http://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2019/0515/?p=11190?tag=jp,rep_jp

(報告者:マネージャー 石原小枝、副マネージャー 郡司晃江)

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・日本水フォーラムからの報告

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- 第4回アジア・太平洋水サミット合同運営委員会(第一回)を開催しました

アジア・太平洋水フォーラム(APWF、事務局:日本水フォーラム)と熊本市は、来年開催される「第4回アジア・太平洋水サミット」(4th APWS)を円滑に運営するため、去る4月18日(木)に、第4回アジア・太平洋水サミット合同運営委員会(委員長:竹村公太郎・日本水フォーラム代表理事、副委員長:大西一史・熊本市長)の第一回会議を開催しました。

この会議では、APWFの事務局である日本水フォーラムと熊本市の職員が3時間にわたり、合同運営委員会の会則及び会計処理方法並びに4th APWSのプログラム案及び分科会のトピックス案等について協議を行うとともに、今後の予定を確認しました。

▼詳しくはこちら▼
http://www.waterforum.jp/all/policy_recommendations/apws/2019/0521/?p=11255

(報告者:マネージャー 上村奈津子)

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- 水防演習大使館ツアー2019 大好評!

日本水フォーラムは、日本の水災害の経験と教訓、地域住民による伝統的な水防活動等を世界に発信するべく、在京大使館・国際機関の方々等を対象とする「水防演習ツアー」を、2006(平成18)年から実施しています(東日本大震災のあった2011年は水防演習自体が開催されずツアー実施は無し)。今年は、エチオピア特命全権大使、コンゴ共和国特命全権大使をはじめとする、13カ国、20名の在京大使館・国際機関関係者の方々にご参加いただきました。

▼詳しくはこちら▼
http://www.waterforum.jp/all/transmitting_japanese/flood_fight/2019/0521/?p=11175

(報告者:コーディネーター 加藤直美)

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- JWFファンド2018 完了しました!

JWFファンドは、2005年に日本水フォーラムが設立し、独自に運営する助成基金です。
発展途上国の水問題解決のために草の根活動を行っている団体を対象に、毎年プロジェクトを公募し、採択された団体には、1プロジェクト当たり1,000 USドルを上限とした支援を実施しています。この基金は、日本水フォーラムの会費や、一般の方からCharity for Waterに寄せられた寄付等により運営されています。

JWFファンド2017には、41カ国408件の応募が寄せられ、選考の結果、5カ国7件のプロジェクトを支援しました。

会員の皆様や、ご寄付をいただいた皆様のご支援、ご協力に感謝いたします。

▼詳しくはこちら▼
http://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2019/0509/?p=11090

(報告者:マネージャー 石原小枝、副マネージャー 郡司晃江)

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- JWF ファンド 2017 フォローアップを実施しました!

JWF ファンドは、現場の課題やニーズに効率的かつ効果的に応えることを念頭に活動しています。2015年からは、活動終了から約1年後に課題やニーズにどのような変化が見られたかを把握、理解することを目的に、現地団体の協力を得て、フォローアップ調査を実施しています。

フォローアップ活動を開始して4年目となる2018年度は、JWFファンド2017で支援した7件の実施団体(エチオピア1 件、カメルーン1 件、ケニア2 件、インド1 件、バングラデシュ1 件、フィリピン1 件)に、フォローアップ調査実施の打診をしました。その結果、エチオピアを除く6件の団体から実施承諾の回答を得て、フォローアップ調査を実施しました。

▼詳しくはこちら▼
http://www.waterforum.jp/all/grass_roots_projects/jwf/2019/0509/?p=10680

(報告者:マネージャー 石原小枝、副マネージャー 郡司晃江)

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・活動へのご支援・ご協力のお願い

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日本水フォーラムは、皆様の会費及び寄付等によって国内外の水問題解決に向けた活動を行っております。
日本水フォーラムの活動を支援していただける会員を募集しております。
水問題解決に向けた持続可能な取組みを行うために、皆様の温かいご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。

▼会員募集の詳細はこちら▼
http://www.waterforum.jp/jp/get_involved/

日本水フォーラムは、国内外の水問題解決に向けて分野問わず幅広い方々と協働で活動を展開しています。
日本水フォーラムの活動にご協力いただける方、ご興味のある方は以下よりお問い合わせください。

▼問い合わせ先はこちら▼
TEL: 03-5645-8040
E-mail: news[at]waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。

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・掲示板コーナー

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【第11回水道技術国際シンポジウム】
主催:第11回水道技術国際シンポジウム実行委員会
日時:2019年7月9日(火)~11日(木)
場所:パシフィコ横浜 会議センター
https://water2019.jp

※免責事項:日本水フォーラムは、掲示板の掲載情報に関して責任を負いかねます。
掲載情報へのお問い合わせは各主催者へお願いいたします。

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▼過去のJWF Newsはこちら▼
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※掲示板への掲載希望、新規配信希望、配信停止・変更などは、下記アドレスまで

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JWF News Vol. 175 令和元年5月22日発行
特定非営利活動法人日本水フォーラム
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町5-4 アライズ第2ビル6階
TEL: 03-5645-8040 FAX: 03-5645-8041
E-mail: news[at]waterforum.jp URL: http://www.waterforum.jp
※[at]をアットマークに変えて送信してください。

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