JWFファンド

2020年05月20日

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JWFファンド2018フォローアップ マレウレ地域における掘抜き井戸の修繕プロジェクト(マラウイ)

JWFファンド フォローアップとは
JWFファンドは、現場の課題やニーズに効率的かつ効果的に応えることを念頭に活動しています。2015年からは、活動終了から約1年後に課題やニーズにどのような変化が見られたかを把握、理解することを目的に、現地団体の協力を得て、フォローアップ調査を実施しています。
フォローアップ活動を開始して5年目となる2019年度は、JWFファンド2018で支援した7件の実施団体のうち、5件(ラオス1件、マラウイ1件、シエラレオネ1件、ウガンダ2件)に、フォローアップ調査実施の打診をしました。その結果、ラオスを除く4団体から実施承諾の回答を得て、フォローアップ調査を実施しました。

本ページでは、マレウレ地域における掘抜き井戸の修繕プロジェクト(マラウイ)について、ご紹介いたします。

マレウレ地域における掘抜き井戸の修繕プロジェクト(マラウイ)

実施概要
・実施団体:Centre for Climate Change and Environment Management(CCCEM) (#172)
・実施国・地域:マラウイ、ブランタイヤ県
・実施期間:2018年10月~2019年2月
・受益者数:1,350人(女性350人、男性300人、子ども700人)
・費用:1,543ドル (JWFファンド996ドル、受益者負担249ドル、実施団体負担298ドル)

実施地の課題
マレウレ地域には、住民共用の井戸が5つあるが、そのうち3つからは水が出なくなっている。井戸を開けてその原因を調べたところ、気候変動の影響で乾期の地下水位が下がっている事が分かった。2,000人以上の住民が残りの2つの井戸を共同利用しており、順番待ちに多くの時間を費やされている。対象のチヨンガ村に住む住民たちは、列に並ぶことを諦めて5キロ離れた場所まで水を汲みに行っている。

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修繕予定の既存井戸

主な実施事項
・既存井戸2基の修繕
・井戸の排水溝と周辺設備・洗濯場の修繕
・井戸管理委員会の設立
・維持管理に関するトレーニングの実施
・水と衛生と資金調達に関するトレーニングの実施
・水質検査の実施

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井戸の修繕

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修繕した井戸と洗濯場、排水溝 修繕した井戸を使う女性

フォローアップ結果
実施団体CCCEMのスタッフ(Ms. Rhoda Mollande)により実施されたフォローアップ調査の結果は以下のとおりです。

  • 修繕した井戸2基の現在の状態
    - 修繕した井戸2基は今も当初の計画通り機能しており、利用者たちは年間を通じて十分な量の安全な水を得られている。
    - 2019年10月12日にMs. Mollandeがプロジェクト実施地を訪問した際は、井戸1基の内部のパイプが劣化しており、破損して水が出てこなくなった。地域の住民が、利用者から集めた寄付で丈夫なパイプを購入し、交換した。今は、安全な水を汲むことが出来ている。 
  • 維持管理体制
    - 井戸管理委員会が修繕した井戸2基を管理している。
    彼らは井戸の利用者から毎月寄付金を集めるほか、夜間は井戸を施錠している。集められた寄付金は会計係が保管し、利子付きのローンとして住民に貸し出しも行っている。新しいビジネスを始めるための資金として借りる住民もいれば、洪水や飢餓、病院への交通費、葬式費用といった急な出費のために借りる住民もいる。
    プロジェクトの実施期間中に2名が簡単な修理のトレーニングを受けた。大掛かりな修理が必要な場合は、寄付金を使って人を雇うこととしている。
  • 受益者の変化
    - 人々が井戸の周りを清掃するほか、水を汲んだ容器に蓋をするようになった。
    - トレーニング後、この地域で汚染された水に起因する病気の症例は報告されていない。
    - いつでも欲しい時に水を得ることができ、その日その日の活動を適切に計画することが出来るようになったことで、家で(水汲み以外)の仕事の時間を管理することができるようになった。
    - 井戸の水は、地域住民による学校での炊き出しにも使われている。女性たちは、子どもたちのために学校に行って食事の用意をすることができる。

 

現場からの声

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Jofrey Chopiさん(42歳、男性)、チヨンガ村のチーフ

  • プロジェクト完了後、地域の人びとは自宅や井戸の周りを掃除するようになりました。井戸で水を汲み、家に帰るまで、更に家の中でも水を入れた容器に蓋をしています。
  • プロジェクト完了後、水が原因の病気は発生していません。
  • 水汲みで帰りが遅くなることが原因でしていた夫婦喧嘩はなくなりました。女性たちはもう長蛇の列に並ぶ必要はなく、近くで水を汲むことが出来るからです。
  • 水を得られるようになり、時間に余裕ができたことでビジネスを始めた世帯もあります。また、水が得られるようになったことを活用して、修繕した井戸の近くで、3世帯がトマトと玉ねぎを栽培しています。

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Stevelia Stephanoさん(41歳、女性)とEtta Makwitiさん(52歳、女性)、維持管理委員会の議長

  • 私たちは、毎月、井戸の利用者から寄付金を集めて会計係に提出する担当者を、井戸管理委員会のメンバーから割り当てています。委員会の他のメンバーは、井戸の周りを掃除する住民をとりまとめています。特に決まった清掃スケジュールは定めていません。井戸の周りが汚れてきたら、清掃活動を行っています。
  • 井戸の維持管理に必要な資金と人材を確保するため、会計係が井戸管理委員会に報告する会議を月に1回開いています。村人を対象とする会議を開催する際には、その機会を活用して井戸の状態を利用者に伝え、また、会計報告を行っています。
  • このプロジェクトには、とても満足しています。様々な角度から私たちの生活を改善してくれました。
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Thokozani Zagwさん(23歳、男性)、井戸の利用者

  • 修繕された井戸を使っています。このプロジェクトが実施されてとても嬉しいです。
  • 井戸の周りを掃き、雑草取りをしました。
  • プロジェクト実施前よりも、妻と一緒に農地に行くことができるようになりました。妻と一緒に作業を終わらせることが出来るようになりました。これまで、妻は家事をしたり、水を汲むため長蛇の列に並ぶことに時間を費やしたりしていたため、私は一人で農地に行っていました。

フォローアップ調査時の現地の様子

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2018年に修繕した井戸 2018年に修繕した井戸を使う女性と男児

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チヨンガ村のチーフへのインタビューの様子 井戸近くで栽培されるトマトと玉ねぎ

(報告者:ディレクター 浅井重範)

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