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2020年05月20日

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JWFファンド2018フォローアップ 2つのコミュニティスクールにおける、VIPトイレ2基の建設と良い衛生習慣の教育(シエラレオネ)

JWFファンド フォローアップとは
JWFファンドは、現場の課題やニーズに効率的かつ効果的に応えることを念頭に活動しています。2015年からは、活動終了から約1年後に課題やニーズにどのような変化が見られたかを把握、理解することを目的に、現地団体の協力を得て、フォローアップ調査を実施しています。
フォローアップ活動を開始して5年目となる2019年度は、JWFファンド2018で支援した7件の実施団体のうち、5件(ラオス1件、マラウイ1件、シエラレオネ1件、ウガンダ2件)に、フォローアップ調査実施の打診をしました。その結果、ラオスを除く4団体から実施承諾の回答を得て、フォローアップ調査を実施しました。

本ページでは、2つのコミュニティスクールにおける、VIPトイレ2基の建設と良い衛生習慣の教育(シエラレオネ)について、ご紹介いたします。

2つのコミュニティスクールにおける、VIPトイレ2基の建設と良い衛生習慣の教育(シエラレオネ)

実施概要
・実施団体:Economic Empowerment and Human Rights Sierra Leone (EEHRSL)(#130)
・実施国・地域:シエラレオネ、ボンバリ地区
・実施期間:2018年10月~2019年3月
・受益者数:582人(児童・生徒568人、教師14人)
・実施費用:2,154ドル (JWFファンド1,000ドル、受益者負担300ドル、自実施団体負担854ドル)

実施地の課題
シエラレオネのブロンカ村とログボンコ村にあるコミュニティスクールでは、衛生設備(トイレ)と衛生教育の不足が大きな課題となっている。対象の2つの学校には568人の児童が通っているが、この学校には衛生設備がない。児童や生徒たちは校舎の裏で野外排泄をし、その糞便を犬やアヒル、鳥が餌としている。女子たちは野外排泄に抵抗があり学校に行きたがらない。このことが、多くの女子たちの中退につながっている。
実施団体EEHRSLによる近年の調査と地区保健管理チームの推定によると、シエラレオネ国内で7人に1人が野外排泄をしており、その75%が貧しい農村部で暮らしている。糞便による水源の汚染も問題であり、汚染された飲み水がウイルス性胃腸炎やウイルス性肝炎、腸チフス、コレラの流行、下痢症といった病気の原因になっている。結果として、学校の児童や地域住民がその危険にさらされている。

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学校の敷地内で野外排泄が行われていた

主な実施事項
・VIPトイレ 2基の建設と手洗い設備2基の設置
・良い衛生習慣に関するトレーニングの実施
・衛生キャンペーンの実施

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VIPトイレの建設

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完成したVIPトイレと生徒たち 手洗いをする生徒

フォローアップ結果
実施団体EEHRSLのスタッフ(Mr. Michael Luseni)により実施されたフォローアップ調査の結果は以下のとおりです。

  • 建設したVIPトイレ 2基と手洗い設備2基の現在の状態
    - 建設したVIPトイレ 2基と手洗い設備2基は、問題なく機能している。生徒たちは、2018年のプロジェクトで実施した良い衛生習慣に関するトレーニングで学んだことを実践し、適切にVIPトイレと手洗い設備を使用している。
     VIPトイレと手洗い設備に目立った故障はない。トイレの南京錠が2つ壊れていたが、既に修理された。
  • 維持管理体制
    -  学校と学校運営委員会は、建設したVIPトイレと手洗い設備の維持管理と機能を確保するため、それぞれが責任を果たすことに合意している。
    学校の合意事項
    ・ VIPトイレと手洗い設備の機能を確保するため、四半期ごとに政府補助金から約25ドルを寄付する。
    ・ 教師たちは、VIPトイレと手洗い設備の機能を確保するため、毎月約2ドルを寄付するほか、生徒の設備清掃を監督する。
    学校運営委員会の合意事項
    ・ VIPトイレと手洗い設備の維持管理と修繕に責任を負う。
    ・ 3週間ごとにモニタリングを行い、その結果に応じてその対策を校長と学校運営委員会議長に報告する。
    ・ 生徒が清掃を行うよう、ブロンカ村とログボンコ村のコミュニティスクールは清掃制度を導入した。各学校は教師の監督のもと、生徒の名前が書かれた毎日の掃除当番表を作成している。学校には清掃員を雇う規定はない。
  • 受益者の変化
    - 次のような変化があった。
    ・野外排泄の減少
    ・学校と自宅での良い衛生習慣の実践
    ・トイレの後や手が汚れる作業の後の石鹸を使った手洗いの習慣化
    ・両校での環境衛生習慣の普及
    ・衛生教育と衛生に関する意識の向上
  • 林や校舎裏での野外排泄がなくなったことと、衛生教育により、汚染された水に起因する病気が減っている。
  • 2018年のプロジェクトで実施されたトレーニングに参加した児童たちが良い衛生習慣を実践しており、地域での汚染された水に起因する病気の減少の一助となっている。
  • ヤシで作った柵で囲ったトイレを作り始めた住民もいる。

 

現場からの声

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Alusine Banguraさん(45歳、男性)、ブロンカ村の学校長

  • 完成した設備が学校に引き渡されてから、学校の衛生環境は教師と生徒の両方にとって良い方向に変わりました。
    教師たちは、以前より多くの時間を校舎で過ごすことが出来ています。教師たちは用を足しに林に行った生徒を追いかけたり、生徒を探すのに苦労する必要はもうありません。教育科目の時間を効率的に管理できるようになり、教師たちは以前より自信を持つことが出来るようになりました。また、生徒も以前のように林に行く必要はなく、校舎に居ることが出来ます。女子生徒は月経期間も新しく建設されたトイレで処理できるようになりました。今は校舎の裏で用を足す必要がなくなったため、多くの女子生徒が登校するようになりました。
  • 生徒と教師たちは、以前エボラ出血熱が流行した時にしていたのと同じように手洗い設備で石鹸を使って手を洗っています。この学校の校長として、資金支援とプロジェクトに感謝します。
  • プロジェクトの実施前、生徒たちは、コレラや下痢症、その他の病気に罹っていました。病気によって学校に通う生徒の数は減っていました。しかし、VIPトイレが建設されてからは、学校では嘔吐や病気などはありません。学校の衛生設備が改善された結果、生徒と教師たちは健康になりました。健康状態は前向きに変化しました。野外排泄をしないので、蛇に咬まれたり、サソリに刺されたりすることはありません。
  • 学校の衛生環境が改善されたため、今年は生徒の出席率が上がりました。学校には教師、男子生徒、女子生徒用に分けられたトイレがあるので、保護者達は彼らの子どもを学校に通わせることができています。これにより彼らの安全が保証されています。
  • VIPトイレが、この地域で初めて建設されました。都会で使われているものと同じであるため、生徒たちはVIPトイレにとても喜んでいます。彼らはこのトイレがあることに誇りを持っています。他校の生徒や人々が訪問してきた際、彼らはいつもトイレを称賛し、誰が資金支援をして建設したのか尋ねます。私たちは尊厳を取り戻しました。他の学校は私たちのことを羨ましがっています。

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Kadiatu S. Kamara さん(12歳、女性)、ブロンカ村の学校に通う生徒

  • 実施団体EEHRSLが設置してくれたVIPトイレと手洗い場を使うことは誇らしく、安全であると感じます。事実、幸せなのは私だけではありません。学校全体、地域の人たち、そして私の両親はこの設備ができて喜んでいます。他校は私たちを羨み、同じ設備を欲しがっています。
  • 私の名前は掃除当番表に記載されており、毎週水曜日がトイレ掃除の日です。 授業中に問題を起こしたり、同級生とトラブルを起こしたりすると、トイレの周りを掃除しなければなりません。でも、私はトイレを掃除することが嬉しいです。トイレは私たちが私たちのために所有するもので、大事にする必要があるからです。
    プロジェクトの実施期間中、EEHRSLは私たちにトイレの手入れの仕方、使い方、健康のための衛生の重要性といった情報を全校集会で教えてくれました。今は、トイレの後にはいつも石鹸で手を洗っていますが、これによって私生活の中での衛生習慣は大きく変わりました。EEHRSLの良い衛生習慣に関するトレーニングを受けたことで、家の周りの掃除も誰かに言われる前に行っています。
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Foday S. Kamaraさん(男性、15歳)、ブロンカ村の学校に通う生徒

  • 私はいつもEEHRSLが設置してくれたVIPトイレを使っています。これまで、このようなタイプのトイレを使ったことはありませんでしたが、両親が私に都会で使われているものだと教えてくれました。初めてこのトイレに入った時、外に出たくありませんでした。とても快適で、みんなにとって良いものです。このトイレを使えて満足しています。
  • 掃除当番表に名前が記載されているので、毎週日曜日に掃除をしてきました。掃除当番の一員となれて、とても嬉しいです。このトイレは私たち自身を守るためにあるからです。
  • 私の衛生習慣は改善されました。家では、トイレの後は必ず石鹸で手を洗います。両親はなぜそのように手を洗うのか私に聞くので説明しました。しかし、私の言うことを信じてくれず、学校の先生に聞くために学校に行きました。

フォローアップ調査時の現地の様子

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2018年にブロンカ村のコミュニティスクール
に建設したVIPトイレ
2018年にログボンコ村のコミュニティスクール
に建設したVIPトイレ

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2018年にブロンカ村のコミュニティスクール
に設置した手洗い設備
ブロンカ村のコミュニティスクールに通う
子どもたち

(報告者:ディレクター 浅井重範)

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