JWFファンド

2019年09月12日

JWFファンド

JWFファンド2019 支援団体が決定しました!

JWFファンド2019
 JWFファンドは、発展途上国の水問題解決のために草の根活動を行っている団体を支援する基金で、2005年の開始から2019年で15年目となります。
この基金は日本水フォーラムの会費や、一般の方から寄せられた寄付により運営されています。
 2019年度の公募には、36カ国から302件の応募がありました。選考の結果、本年度は6カ国7件のプロジェクトに対し支援を実施することを決定しました。

募集概要
公募期間:2019年6月3日~7月15日
応募件数:302件、36カ国
支援件数:7件、6カ国 (パプアニューギニア1件、ウガンダ2件、ケニア1件、南スーダン1件、ハイチ1件、シエラレオネ1件)

支援する活動は、公募に対し応募のあった302件からJWF職員が選考し決定しました。

JWFファンド 2019 支援先
*下記のプロジェクト概要は、応募団体が書いた申請書類を和訳して作成したものです。

1.ラバビア村における持続可能な水供給の改善(パプアニューギニア)
  原文:Improving and sustaining village water supply in Lababia

活動概要
・実施団体:Morobe Development Foundation Inc. (MDF)(#255)
 MDFは、パプアニューギニア、モロベ州の州都ラエにある地域に根差した団体。
10年以上にわたり、コミュニティと密に連携して生活の質の改善、教育の提供や社会問題に関する取り組み拡大のため活動している。
・実施国・地域:パプアニューギニア/モロベ州
・実施期間:2019年10月~2020年2月
・受益者数:800 人
・費用:2,154 ドル(JWFファンド1,000ドル、受益者の負担59.11ドル、MDFの負担147.78ドル、地方機関の負担295.55 ドル)

PNG map
パプアニューギニア

実施地の課題
 ラバビア村は、フオン県サラムアラにおける最大の村で、長い砂浜と澄んだ青い海がある美しい熱帯の地域。ラバビアは、台風の発生頻度が高い場所に位置しており、台風によってもたらされる雨は大洪水をもたらす。 2016年、強い台風がこの地域を襲い、飲み水や家庭用の生活用水、地域の景観に荒廃をもたらした。それ以来、村人は生活のための水を汲むために、毎日ボートで2時間移動しなければならなくなった。水へのアクセスが非常に制限されているため、公衆衛生が損なわれ、下痢、腸チフス、マラリア、コレラなどの病気が発生している。 2016年には、ラバビア村で土砂崩れと洪水が発生し、村の給水システムだけでなく、田畑や自然の動植物も破壊された。給水施設を設置する政府の支援はなく、村にあるコミュニティスクールでは、子どもたちが安全な水を利用できるように給水施設を建設する必要がある。

活動項目
- 協議と活動計画のワークショップ
- 啓発と教育活動
- 水と衛生に関するトレーニング
- 生物理学的な水質検査
- ハンドポンプ導入と、予防保守に関するトレーニング
- ハンドポンプの導入
- コミュニティ主導の監視体制構築
- プロジェクト評価

期待される成果
- コミュニティのメンバーは、改善された水源を得られるようになり、同時により良い衛生と衛生習慣を身につけ、これにより、より良い健康状態が期待される
- コミュニティのメンバーは、自身の給水システムを管理する能力と能力を備え、対応力と責任感のあるコミュニティの共同作業を生み出す
- コミュニティのための安全で安定した水へのアクセスが得られ、維持されるようになり、水を得るための時間と労力を節約され、これにより、農業や漁業等、日々の生産性が向上することが期待される

活動予定地の現在の様子

jwff2019_b1_#255 jwff2019_b2_#255
錆により故障したハンドポンプ 住民が生活用水として利用するため池

 

2.キカアダ 村のキャゲファ湧水保護設備の修繕(ウガンダ)
  原文:Reconstruction of Kyageefa Water spring in Kikaada village

活動概要
・実施団体:Rural Aid Foundation(RAFO)(#229)
 RAFOは、農村地域のサポートや調査、アドボカシーと、西ウガンダのキャングワリ地域での難民と受け入れの農村の間のプラットフォームとして2013年に設立された。
・実施国・地域:ウガンダ/キバーレ県
・実施期間:2019年10月~2020年2月
・受益者数:子ども 1,500人
・費用:1,228ドル(JWFファンド1,000ドル、受益者の負担128ドル、RAFOの負担100ドル)

Map_Uganda
ウガンダ

実施地の課題
 キカアダ小学校は、キバアレ地区のキカアダ村にある公立小学校。 5歳から17歳までの1500人の生徒/児童がこの学校に通っている。この学校の水源はキャゲファ湧水だけであり、400世帯(人口約1000人)の利用する近隣の貿易センターや、毎週土曜日と日曜日に開催されるキカアダマーケットもこの水源に頼っている。2019年3月に豪雨が発生し、土砂が流れ込んだことで、キャゲファ湧水は機能しなくなってしまった。これにより、キカアダ小学校の児童たちは、カボデ村の池から水を得るために3キロ以上歩くことを余儀なくされている。この池は地元のアルコール蒸留センターにも使用されており、アルコール残留物はこの池の状態を悪くしている。2019年3月以来、保健所の報告によると、ビルハルツ60症例と腸チフス56症例が記録されている。 この池はキカアダの住民にも共有されているため、水を得るための長い列ができており、児童たちは授業を欠席している。この池は、動物(牛)とも共有されている。

活動項目
- 関係者との初回プロジェクトミーティング開催
- 水管理委員会のメンバーの特定、設立とトレーニング
- キャゲファ湧水設備の修繕
- 現場での水処理と煮沸消毒の実演
- 地域住民への水管理委員会の役割と責任体制に関する意識啓発のラジオ放送

期待される成果
- 子供たちの健康と学習が改善する
- キカアダ地域と子供たちがかかっていた汚染された水に起因する病気が減少する
- 維持管理された湧水によりキカアダ地域の住民と子供たちが継続して水を得られるようになる

活動予定地の現在の様子

jwff2019_b1_#229 jwff2019_b2_#229
キャゲファにある湧水設備の様子 飲み水や蒸留酒用に使用されるため池

 

3.コグマ湧水の保護設備建設(ケニア)
(原文)Construction and protection of Kogoma spring

活動概要
・実施団体:Eco-Friendly Self Help Project(#239)
 この組織は2019年4月に設立され、貧困の削減と持続可能な発展の実現に向けた活動を実施するというミッションのもと活動している。
・実施国・地域:ケニア/シアヤ県
・実施期間:2019年10月~2020年2月
・受益者数:1,721 人(女性410人、男性325人、子ども986人)
・費用:1,213ドル(JWFファンド1,000ドル、受益者の負担180ドル、Eco-Friendly Self Help Projectの負担33ドル)

jwff_kenya
Kenya

実施地の課題
 リゴマ村は人口が密集地域であり、村人の大半は貧困状態で住んでいるため、水道水は彼らにとって夢である。個人及び生活環境の衛生とその管理の状態頻度が高く、健康、栄養、衛生が悪い状態にある。湧水(水源)、土地、肥料、及び人間の排泄物等の資源の管理も不十分である。人間や家畜が湧水地で排せつをし、人々が湧水地で洗濯を行うため、湧水池には人間や家畜の排せつ物が流れ込んでいる。これにより、リゴマ村の90%以上の人は、安全な水にアクセスすることができない。リゴマ小学校の児童を含む村の人々は洗剤や油、その他の汚れが残ったさまざまな容器で水を汲む。そのため、村の人々は容器の汚れで水の色が変わる前の早朝に水を汲むよう努めている。これにより、村人は水と衛生に関する病気(アメーバ赤痢、下痢、腸チフス、コレラ、ビルハルツ)にかかっている。近隣のムトゥンブ診療所に来院する人の約80%は、水や衛生に関連することで来院している。

活動項目
- コグマのため池に保護設備を建設し、囲いを建てる。
- 初回ミーティング(ムトゥンブ診療所の事務所)
- 第2回会議(リゴマ小学校)
- 第3回会議(プロジェクト実施地)
- 第4回会議(プロジェクト完了後、速やかにプロジェクト実施地で開催予定)

期待される成果
- 安全な飲み水へのアクセスと利用の向上
- 適切な家庭での環境衛生
- 家庭とリゴマ学校での適切な衛生習慣の実践
- 汚染された水に起因する病気の減少
- 汚染された水に起因する病気の治療費の減少
- 汚れた容器で直接ため池の水を汲む必要がなくなることによる衝突の減少

jwff2019_b1_#239 jwff2019_b2_#239
湧水から水を汲む村の住民 湧水から水を運ぶ村の住民

 

 

4.南スーダン中央エクアトリア州ブング郡のベルパヤムにおける児童と脆弱な住民、難民帰還者たちのジェンダー関連被害を減少させるための水と衛生サービスへのアクセス改善(南スーダン)
(原文)Provision of improved access to WASH services to mitigate GBV cases among school children and vulnerable host and returnee individuals in Belle Payam, Bungu County of Central Equatoria State in South Sudan

活動概要
・実施団体:Wealth Health and Education for Empowered Life (WHEEL) South Sudan(#210)
 WHEELは、南スーダン全土で子供の健康と教育状況の改善を目指す非政府組織。WHEELのビジョンは、健康で強靭かつ繁栄のある自立した社会を創造することであるミッションは健康の増進や住民への職業訓練と教育支援を通じた公平な発展の促進である。
・実施国・地域:南スーダン/中央エクアトリア州
・実施期間:2019年10月~2020年3月
・受益者数:2,000人(女性819人、男性333人、子ども848人)
・費用:1,192ドル(JWFファンド992ドル、WHEELの負担200ドル)

map ssudan
南スーダン

実施地の課題
 WHEELは2019年6月1日~3日の間にブング郡で3日間のアセスメント活動を実施し、ベル村の2,000人以上の住民には、機能しないハンドポンプが付いた井戸1つしかないことが分かった。村の住民は、2016年9月の紛争の結果避難を余儀なくされたが、2019年4月に村に戻ってからは、管理されていない表流水から水を飲んでいる。ベル村のこの井戸は、ベル村の小学校に隣接し、2016年9月に紛争が起こるまでは、小学校の主な水源として利用されていた。848人の児童は、排せつ物によって汚染され安全ではない表流水に頼っている。この表流水を細菌検査した結果、大腸菌が検出され、「このコミュニティでの病気の70%は下痢、腸チフスそしてマラリアである」というベル村の保健所の情報を裏付けることとなった。これは、コミュニティの人々が飲み水や調理に表流水の安全ではない水を使っていることによる。

活動項目
- 関係者との初回プロジェクトミーティング
- 井戸1基の修繕
- 井戸利用管理委員会の設立と委員7名へのトレーニング
- ハンドポンプの技術者1名へのトレーニング
- プロジェクトの進行管理
- プロジェクトの共同モニタリング
- プロジェクト評価

期待される成果
- ベル村の住民が十分にきれいで安全な水を1日1人あたり15リットル(スフィア・スタンダード)得られるようになる
- 地域住民の水と衛生に起因する病気の治療費が減る
- 地域住民が彼らの井戸を維持管理できるようになる

活動予定地の現在の様子

jwff2019_#210_b2 jwff2019_#210_b1
プロジェクト対象地で世帯登録
を行うWHEELのスタッフ

ベル村の井戸を調査するアセスメント
チームと村の水ディレクター

 

5.地域給水設備の更新(ハイチ)
(原文)HAS Water System Renewal - Community Fountains

活動概要
・実施団体:Hôpital Albert Schweitzer Haiti(#263)
 Hôpital Albert Schweitzer Haiti(HAS)のミッションは、アルティボニットの人びとと協力して健康と生活の質の向上に励むこと。HASは1956年以降、610平方マイル(約1,580平方キロメートル)の敷地で病院と地域密着型の医療を提供している。HASは、政府の公共サービスが届かないハイチの農村地域で活動している。病院開設以来、HASは病院の運営に必要な水や廃棄物管理、電力を自給する責任を担ってきた。
・実施国・地域:ハイチ/アルティボニット
・実施期間:2019年10月~2020年1月
・受益者数: 30,000人
・費用:6,260ドル(JWFファンド1,000ドル、受益者の負担1,000ドル、HASの負担4,260ドル)

Map haiti
ハイチ

実施地の課題
 HASの給水設備は欠かせないものである一方、60年以上にわたり使用されているため、修繕をしないと動かなくなる危険がある。HASは、2018年に既存の水システムを修繕し近代的にするための総合的な計画を含む水システム分析を実施した。その結果、給水設備配管の腐食により漏水が起き、目詰まりにより水量が減少している事が分かった。約55,000ガロン(約20万リットル)の水が漏れ、修理が必要である。5つある井戸のうち、3つだけが機能している。

活動項目
- 設計図/ 作図/ 配置図
- 地域の供水設備5基の修繕
- 地域住民のプロジェクトへの参画

期待される成果
- 汚れた水の消費と結果として生じる病気の減少
- 天然資源の管理と節約による飲み水の処理費用削減
- 給水設備の維持管理方法に関するトレーニングによる地域住民の能力強化

活動予定地の現在の様子

jwff2019_#263_b1 jwff2019_#263_b2
HASの給水設備から水を汲む子ども Deschapellesにある故障した給水設備

 

6.シエラレオネ南部、プジェフン地区カパカ首長区バオマ村でのハンドポンプの修繕(シエラレオネ)
(原文)Rehabilitation of a hand pump well in Baoma Village, Kpaka Chiefdom, Pujehun District, Southern Sierra Leone

活動概要
・実施団体:Rural Agency for Community Action Programme(RACAP/SL)(#227)
 RACAP/SLは、2008年に設立された地域に根差した団体である。RACAP/SLのミッションはシエラレオネの南部および東部にある遠方の農村地域における女性や男性、少年少女の生活状況の持続可能な改善の支援である。RACAP/SLの活動分野は、主に水と衛生(WASH)や、生計、女性と女児の能力強化、貧困層の保護。
・実施国・地域:シオラレオネ/南部州
・実施期間:2019年10月~2020年2月
・受益者数:800 人
・費用:1,454ドル(JWFファンド1,000ドル、受益者の負担254ドル、RACAP/SL の負担200ドル)

Map_Sierra Leone
シエラレオネ

実施地の課題
 プジェフン地区の多くの農村と同様に、バオマ村は安全な飲み水の不足という課題に直面している。この地区では、政府によるサービスは不十分であるか、存在しない村もある。2014年、ユニセフはRACAP/SLを通じて、課題を軽減するためにハンドポンプの建設を行った。しかし、このハンドポンプは故障しており、緊急の修理が必要となっている。また、乾期のピーク時には井戸は完全に干上がるため、女性や子供を含むバオマ村の住民は、彼らのさまざまな用途の主要な水源として、村から約1.6㎞離れた場所にある表流水に依存している。この水源は安全ではなく、保護されていないため、村人は多くの水関連の問題に直面している。プジェフン地区健康管理チームによると、バオマ村の女性と子供の下痢、赤痢、腸チフスの発症が非常に多いと報告されている。子どもたちは入浴にこの水を使用すると皮膚感染症になる。また、水を汲むために小川に歩いて行く子どもたちは、水を汲むために草木の茂った道を歩いており、途中で蛇にかまれる可能性がある。

活動項目
- 初回プロジェクトミーティングの実施
- 水管理委員会の再編成とトレーニング
- ハンドポンプ1基の修繕
- 対象地区の水関連行政による水質検査
- 月々の地域啓発活動
- プロジェクトの管理監督

期待される成果
- バオマ村の住民600人が水と衛生に関する知識と習慣を身に着け、修繕されたハンドポンプを持続可能に維持管理できるようになる
- 修繕したハンドポンプの使用を取り決める規則が策定される
- バオマ村での汚染された水に起因する病気(下痢症や赤痢、腸チフス)の減少によって人々が健康で生産的で活発になり、生活水準を上げるための経済活動に従事できるようになる

活動予定地の現在の様子

jwff2019_#227_b1s jwff2019_#227_b2s
修繕予定の故障したハンドポンプ 保護されていない水源から
水を汲む授乳期の女性

 

7.農村地域での適切な水と衛生に関する設備の修繕(ウガンダ)
(原文)Appropriate rural water and hygiene infrastructures

活動概要
・実施団体:Agoro Community Development Association(ACDA)(#292)
 ACDA は、ウガンダ北部のランウォ県で戦争後の農村地における生計効能支援による能力強化と、女性や少女たちへの暴行防止に焦点を当てる草の根団体である。
・実施国・地域:ウガンダ/ランウォ県
・実施期間:2019年10月~2020年2月
・受益者数:280人(女性50人、男性30人、子ども200人)
・費用:2,139.4ドル(JWFファンド1,000ドル、受益者の負担289.4ドル、ACDAの負担850ドル)

Map_Uganda
Uganda

実施地の課題
 アゴロ郡は、ウガンダ北部の最もへき地にあり開発途上地域のひとつ。基本的な社会的・経済的インフラは未発達であり、20年にわたる内戦の後、人々は生活を再構築するという課題に直面している。この地域には、近隣の南スーダンからの紛争から逃れている何千人もの難民と亡命希望者が住んでいる。安全な水と衛生施設へのアクセスは最悪の状態にあり、80%以上のコミュニティと学校はこれらへのアクセスが制限されている。この地域の学校内の2つの井戸と1つの雨水貯留タンクは、住民が「これらを建設した人道支援機関が戻って来て修理してくれる」と考えており管理していないため機能していない。状況は、多くの地域人々が地域の主な水源であるオークラ川で野外排泄をしていることにより最悪の状態になっている。これは、排せつ物が他の人の排せつ物の上に積み重なることは文化的に受け入れられないという信念よるものである。これにより、コミュニティの生活は下痢性、腸チフス、トラコーマ、皮膚疾患などのさまざまな疾患にさらされている。

活動項目
- 地域住民の動員と初回ミーティング
- 雨水貯留タンク2基の修繕
- 故障した井戸1基の修繕
- 村の水委員会を対象としたトレーニング
- コミュニティの形成

期待される成果
- 安全な飲み水へのアクセスと利用の増加
- 下痢症や腸チフス、トラコーマ、皮膚疾患といった汚染された水に起因する病気の減少
- 地域住民が修繕した給水設備を維持管理できるようになる

活動予定地の現在の様子

jwff2019_#292_b1 jwff2019_#292_b2
雨どいと蛇口、排水溝がない
雨水貯留タンク
学校の故障した井戸

 

(報告者:ディレクター 浅井重範、福マネージャー 郡司晃江)

一覧を見る